PS2の互換機って売ってるの?
数々の名作を生み出したPS2。
「あの頃のゲームをもう一度プレイしたい!」と考え、PS2互換機の情報を探している方も多いのではないでしょうか。
ただそんなPS2の互換機はいつまでたっても発売されない…その背景には特許の問題が関わっていたんですね。
また最新のPS5や手軽な携帯ポータブル機で遊べないか、あるいはPS4でやる方法はないかと考える方もいるでしょう。
現状ではPS1のように手軽な互換機は存在しませんが初期型PS3の利用やエミュレータ機のおすすめ設定などいくつかの代替手段が存在します。
この記事ではPS2のゲームを再び楽しむための具体的な方法とそれぞれの注意点を詳しく解説していきます。
市販されているPS2互換機はある?

発売はいつ?特許が鍵
結論から言うと2025年現在、公式ライセンスを受けたPS2の互換機は市販されていません。
そして残念なのは今後すぐに発売される可能性も低いと考えられます。
その大きな理由はソニー・インタラクティブエンタテインメントが保有する特許。
例えばPS3の技術を使ってPS2の動作を再現する関連技術は2009年に特許申請されています。
これはEmotion Engine用に書かれた命令文をCellプロセッサ用のものに変換するというもので、理論的にはPS3でPS2のすべてのゲームがプレイできるようになるとのこと。
Gigazineより引用
一般的に特許の保護期間は出願から20年間。
この制限があるので他社がこの技術を用いて互換機を製造できるようになるのは最短でも2029年以降となるんですよ。
さらに、事を複雑にしているのが「BIOS」の存在。
BIOS(バイオス)とは「Basic Input/Output System」の略で、パソコンの基盤であるマザーボードに搭載され、パソコンの電源が入ってから最初に動き、OSの読み込みや、主にハードウェアを制御するプログラムです。
MOUSEより引用
PS2においてもBIOSはハードを動作させるための基本的なソフトウェアで、これは著作権法で保護されています。
ソフトウェアの著作権保護期間は公表後50年(または創作後50年)とされてているのでPS2のBIOSの著作権が切れるのは2050年頃になります。
これらの理由から互換機の製造が簡単にはいかなくなっているんです。
なのでユーザーが手軽に購入できる新品のPS2互換機が登場するまでにはまだまだ長い時間が必要となるでしょう。
PS1との互換性能
PlayStationシリーズの歴史を振り返るとゲーム機間の互換性、特にソニー製は常に限定的でした。
完全な上位互換が当たり前ではなかったのです。
初代PS1のソフトは後継機であるPS2とPS3でもプレイすることが可能でした。
これはユーザーにとって非常に嬉しい仕様であり、たくさんのディスクを現役で使えるようになるので喜ぶ声も多くありました。
しかしPS2のソフトの互換性に関しては少し複雑な経緯をたどります。
PS2のソフトをプレイできたのは後継機の中ではPS3の、それもごく初期に発売された一部のモデルだけでした。
CECH-B00 / CECH-A00シリーズのみディスク版PS2ゲームをプレイできます。ただし、タイトルによって適切に動作しないものもあります。
ソニー公式サポートより引用
コスト削減などの理由から途中から発売されたPS3ではPS2との互換機能は削除されています。
PS1の互換機能はPS2のすべてで付いていますがそれ以降はほぼなく、これ以降も精々一世代前の互換があるくらい。
だからこそPS2をはじめとしたPS系列の互換機が求められているのかなと感じました。
PS4でやる方法はあるか
そうなると、
「PS4本体にPS2のゲームディスクを入れてプレイできない…?」
と考える方は少なくないでしょう。
しかし残念ながらその方法は存在しません。
PS4はPS2のゲームディスクを再生するための互換機能を搭載していないのでディスクを挿入しても認識されず、ゲームを起動することは不可能。
ただし全く方法がないわけではありません。
唯一の手段としてソニーのサブスクサービス「PlayStation Plus」の最上位プランである「プレミアム」を利用する方法があります。

このサービスに加入すると、「クラシックスカタログ」という特典の一部として、過去にPS2向けに発売された一部のタイトルをPS4にダウンロード、またはストリーミング形式でプレイすることができるんですよ。
この方法のメリットはまず現行機で手軽に遊べる点。
一方でデメリットとしてクラシックスカタログで提供されているPS2タイトルはごく一部だということ。
自分が遊びたいと思っている名作がラインナップに含まれているとは限らないんですよ。
どちらにしろ昔買ったPS2のディスクやそのデータを使うことができないことは覚えておいてくださいね。
最新のPS5での互換性について
最新機種であるPS5においてもPS2の互換性に関する状況はPS4と基本的に同じ。
PS5本体にPS2のゲームディスクを入れてもそれを読み込んでプレイすることはできません。
PS5のディスクドライブはPS5用とPS4用のゲームディスクにのみの対応となっています。
ただこちらもPS4と同様にクラシックスカタログからDL購入して遊ぶことはできるので完全に不可能というわけではありません。
今後も特にPS2との互換を強化するとかいう話もないので状況が変わることはないでしょう。
ということで現在でもあなたが持っている思い出の詰まったPS2のゲームディスクをPS5で直接楽しむことはできないのが現状です。
PS2互換機として使える代替手段

互換性のある初期型PS3で遊ぶ
現在、公式ハードでPS2のゲームを遊ぶための最も現実的な方法は初期型のPS3本体を入手することです。
上で触れたようにPS3の中でも2006年頃に発売された最初期のモデルにはPS2のゲームを動作させるための機能が搭載されていました。
特に互換性が高いことで知られているのは、以下のモデルです。
モデル番号 | HDD容量 | PS2互換方式 | 特徴 |
CECHAxx | 60GB | ハードウェア互換 | PS2のCPUとGPUを搭載。 最も互換性が高い。 |
CECHBxx | 20GB | ハードウェア互換 | CECHAxxとほぼ同等の高い互換性を持つ。 |
CECHCxx | 60GB | ソフトウェアエミュレーション | 一部のハードウェアをソフトウェアで再現。 互換性は若干劣る。 |
CECHExx | 80GB | ソフトウェアエミュレーション | CECHCxxと同様。 |
この方法の最大のメリットはソニー公式の機器であるため動作が安定しており、違法性を心配する必要がない点。
一方でデメリットも存在します。
これらのモデルはすでに生産終了から15年以上が経過しており新品での入手は不可能です。
中古市場で探すしかなく状態の良いものは価格が高騰している場合があります。
また初期型PS3は不具合が多く壊れやすいので状態のいいものを見つけるのが難しく、さらに見つけても壊れるリスクが高いということ。
公式の機能ではあるんですが現在では長持ちさせるのは難しいんですね。
中古本体をAmazonで探す際の注意点
互換性のある初期型PS3を中古で探す際、Amazonマーケットプレイスは便利な選択肢ですが購入にはいくつかの注意が必要。
最も重要なのは商品説明をよく読み、PS2との互換性を持つモデル番号(CECHAxx、CECHBxxなど)であることを必ず確認することです。
PS3は外見が似ているモデルが多いため「PS3本体」というだけで安易に購入すると、換性のない新しいモデルである可能性があるんですよ。
初期型は全て分厚くとても大きいものになっているので実機を見ることができれば一目でわかると思います。
次に商品のコンディションも慎重に見極める必要があります。
「動作確認済み」と記載されているか、本体やコントローラーに大きな傷や汚れがないか、必要なケーブル類(電源、AVケーブルまたはHDMIケーブル)が付属しているかなどをチェックしましょう。
出品者の評価やレビューも信頼性を判断する上で重要な参考情報となります。
さらにPS2時代のセーブデータをPS3で使いたい場合は、別途「メモリーカードアダプター(CECHZM1)」という周辺機器が必要になります。

これはPS2のメモリーカードを読み込むためのもので本体とは別に探して購入する必要があるため忘れないようにしましょう。
これらの点を十分に確認し納得した上で購入することが後悔しないための鍵となります。
PCでのエミュレータ機のおすすめ
パソコン上でPS2のゲームを動作させる「エミュレータ」を利用する方法も、人気の高い選択肢の一つ。
その代表格が「PCSX2」というフリーソフトウェアです。

この方法の最大のメリットは実機を超える高い解像度でゲームをプレイできる点。
パソコンの性能次第ではグラフィックがより鮮明になり、快適なゲーム体験が可能になります。
またゲームの状態をいつでもどこでも保存できる「ステートセーブ」機能など、エミュならではの便利な機能も利用できます。
さらにPS2のディスクをそのまま使えるので思い出のディスクが無駄にもならなく、ほとんどのゲームが対応してるという長所もありますね。
デメリットと法的リスク
一方で大きなデメリットと注意点も存在。
それはエミュレータを動作させるために不可欠な「BIOS」と「ゲームのROMデータ」の準備です。
著作権法上、これらのファイルはあなた自身が所有している正規のPS2本体とゲームソフトから私的利用の範囲で吸い出したものを使用する必要があります。
ネット上には出所不明のBIOSファイルやゲームROMが違法にアップロードされていますが、これらをダウンロードする行為は著作権法に違反。
最悪刑事罰の対象となる可能性があります。
エミュレータの利用自体は違法ではありませんが、BIOSやゲームの入手方法を誤ると法を犯すことになるためあまり詳しくない段階で手を出すのは危険。
ある程度のPC知識とスペックも必要です。
携帯ポータブル中華ゲーム機の実力
他の手段としては携帯ポータブルゲーミング機を使うというものもあります。
近年Android OSを搭載した携帯型のゲーム機、通称「中華ゲーム機」が数多く登場しており、その中にはPS2のエミュレーションに対応したモデルも存在するんですよ。

使い方としてはまずCD ManipulatorをPCにインストール、PS2ディスクをディスクドライブに入れてデータを吸い取ります。
そしてこれらのポータブルゲーミング機にそのデータを移行するだけ。
代表的な機種としては、「Retroid Pocket 4 Pro」や「AYN Odin 2」などがあります。
これらの高性能モデルは多くのPS2ゲームを比較的快適に動作させることが可能で、割と評判もいいんですよね。
さらに外出先でも手軽にPS2のゲームをプレイできるという他にはない魅力を持っています。
メリットはやはりこの携帯性。
通勤中や休憩時間、ベッドに寝転がりながら場所を選ばずに懐かしのゲームに浸れるのは大きな利点です。
しかしデメリットと注意点も少なくありません。
まず、PS2はエミュレーションの負荷が非常に高いため安価なモデルでは動作がカクついたり、音が途切れたりするなど快適なプレイが難しい場合があります。
ある程度の性能を持つモデルは数万円以上と決して安価ではありません。
そして最も重要なのはPCのエミュレータと同様に動作には「BIOS」ファイルが必須であるという点です。
このBIOSは自身が所有するPS2本体から吸い出す必要がありインターネットからのダウンロードは著作権法違反となるリスクを伴います。
手軽に見えて、実は準備にはPCエミュレータと同じ法的ハードルが存在することを理解しておくことが大切です。
まとめ:最適なPS2互換機の選び方
ここまでのPS2互換機についての情報をまとめるとこうなります。
現状ではレトロフリークのような互換機はいまだ発売されていなく、今後も期待できないということ。
完全に互換させるには初期型PS3、エミュレーター、ポータブルゲーミング機辺りが視野に入ってきます。
個人的には中古で状態のいいPS2を買うことをオススメします。
互換機にこだわらないのであればまだまだ状態のいいPS2は売っており、1万円~2万円という比較的安価で手に入れることができます。
ただ時期によってモデルの良し悪しがあるのでその辺りのチェックは重要になってきます。