PS3でPS2のソフトってどうやって遊ぶの?
「昔、夢中になったPS2のソフトでまた遊びたい…」
と思いたって家のPS3でプレイできるのか気になっている方もいるのではないでしょうか。
正直PS3でPS2のソフトが遊べるかどうかは、できる、できないの両方の情報があり少し複雑。
ただ結論から言うと、特定の条件下でプレイは可能ですが何も知らずに中古のPS3を購入する、失敗や後悔につながる可能性があります。
この記事ではそんなPS3でPS2のソフトを遊ぶ方法について網羅的に解説します。
具体的にはプレイできる型番はどの初期型互換機なのか、データ保存に必要なメモリーカードの準備、そして快適に遊ぶコントローラーの互換性について詳しく説明。
さらにCFW導入による本体の改造や、ゲームアーカイブスといった他の遊ぶ方法にも触れていきます。
また参考情報としてPS1で正常にできないソフトについても紹介しますのでぜひ最後までご覧ください。
PS3でPS2のソフトを遊ぶための基本知識

結局プレイできる?できない?
まずPS3でPS2のゲームソフトがプレイできるかどうかという疑問に対しては、
「一部のPS3本体でのみプレイ可能」
というのが答えになります。
全てのPS3で遊べるわけじゃないんですね。
なぜならPlayStation 2(PS2)のソフトとの互換機能はPS3の特定のモデルにしか搭載されていないからです。
一方でPlayStation(PS1)のソフトに関しては全てのPS3モデルでプレイできるように設計されています。
このようにPS1とPS2では対応状況が大きく異なります。
そのため、「PS3で昔のゲームが遊べる」という情報だけを頼りに本体を購入してしまうと目的のPS2ソフトが起動しないという事態になりかねません。
まずはこの基本的な違いを理解しておくことが大切です。
プレイできる型番は初期型の互換機のみ
前述の通りPS3でPS2のソフトをプレイできるのは初期に生産されたごく一部のモデル。
これらのモデルは内部にPS2の互換機能を持つチップを搭載しているため、ディスクをそのまま読み込んで遊ぶことができるんですね。
具体的には日本国内で販売されたモデルでPS2との互換性を持つのは以下の2種類のみです。
これらの初期型モデルは「互換機」とも呼ばれ中古市場で探す際の重要なキーワードとなります。
初期型モデルの見分け方
中古で本体を探す際外見から初期型モデルを見分けるポイントがいくつかあります。
最も確実なのは本体の背面や底面に貼られているラベル。
このラベルで「CECHA00」または「CECHB00」という型番を確認することです。

また本体前面のUSBポートの数も識別の手がかりになります。
PS2互換機能を持つ初期型モデルはUSBポートが4つありますがそれ以降のモデルは2つに減らされています。
そして現在これらのモデルは生産が終了しているため入手するには中古品を探すしかありません。
状態の良いものは少なくなってきており価格も高騰する傾向にあるので購入を検討する際は状態を特によく確認したほうがいいでしょう。
データ保存に必須の仮想メモリーカード
初期型のPS3でPS2のソフトを遊ぶ際、ゲームの進行状況をセーブするためには「仮想メモリーカード」の作成が必須。
PS3でPS2やPSゲームのデータを保存するには 2 つの作業が必要です
- 本体ストレージ内に「仮想メモリーカード」を作成する
- 仮想の差込口に「仮想メモリーカード」をセットする
(※)CECH-A00 / CECH-B00 以外のPS3は、PS2ゲームをプレイできません。
PS公式Q&A
PS3本体にはPS2の物理的なメモリーカードを差し込むスロットが存在しないので本体のストレージ(HDDやSSD)内に仮想的なメモリーカードを作成して代用するわけです。
この仮想メモリーカードはPS1用とPS2用の2種類を作成可能。
PS2のゲームをセーブしたい場合は必ず「仮想メモリーカード(PS2)」を選択して作成してください。
作成手順は以下の通り。
作成しただけではゲームから認識されないので次に「差込口の割り当て」という作業が必要です。
作成した仮想メモリーカードを選択して△ボタンを押しメニューから「差込口を割り当てる」を選び「差込口1」に設定すれば準備は完了です。
手持ちのメモリーカードのデータを使う場合
新規のデータを作るのではなく、もともと持っていたメモリーカードのデータを使いたい場合は専用のアダプターを使います。
これがそのメモリーカードアダプター。
これをPS3に直接接続、アダプターにメモリーカードを挿し込めばデータを読み込めるようになります。
そのデータを上の方法で仮想メモリーカード内に移すこともできるのでかなり便利なアイテムです。
ただ現在はかなり希少になっていて手に入りにくいのでメルカリやアマゾン中古などであらかじめ買っておくといいかもしれません。
コントローラーの互換性
PS3でPS2のソフトをプレイする場合、コントローラーはPS3用の「DUALSHOCK 3」や「SIXAXIS」をそのまま使用できます。
有線だけでなくワイヤレスで問題なくプレイすることが可能です。
一方で使い慣れたPS2用のコントローラー「DUALSHOCK 2」を使いたいと考える方もいるかもしれません。
ただDUALSHOCK 2は接続端子の形状が異なるのでPS3本体のUSBポートに直接接続することができないんですよ。
もしどうしてもDUALSHOCK 2を使用したい場合は「PS2コントローラー変換アダプタ(コンバーター)」という機器を別途用意する必要があります。
これはPS2コントローラーの端子をUSBに変換するためのものでこれを使えばPS3でもDUALSHOCK 2が使えるようになります。
ただし変換アダプタの使用には注意点もあります。
製品によっては一部のゲームで正常に動作しない可能性があり、コントローラーの振動機能が使えなくなることがほとんどです。
安定した動作を望むのであれば基本的にはPS3用のコントローラーでプレイすることをおすすめします。
初期型で遊ぶ方法・流れ
PS2互換機能を持つ初期型PS3さえ手に入れれば、PS2のソフトを遊ぶ方法は非常にシンプル。
特別な設定はほとんど必要なく、ゲームディスクをPS3本体のディスクドライブに挿入するだけで自動的にゲームが起動します。
専用ツールをインストールするとかディスクが必要とかそういった下準備は一切いりません。
PS2の実機で遊んでいた感覚とほぼ同じようにプレイを開始できるのが、初期型モデルの最大の利点ですね。
さらにPS3には画質を向上させる機能が搭載されています。
設定画面から「アップコンバート」や「スムージング」といった項目を有効にするとPS2のゲーム映像をテレビの解像度に合わせて引き伸ばし輪郭を滑らかに補正してくれます。
これにより当時のブラウン管テレビで見ていた映像よりもくっきりとした画質で懐かしのゲームを楽しめるでしょう。
初期型以外のPS3でPS2のソフトを遊ぶには

CFWを導入して本体を改造する方法
初期型以外のPS3、例えば薄型のスリムモデルなどでPS2のソフトを遊びたい場合は改造すると可能になります。
非公式な方法ですが「カスタムファームウェア(CFW)」を導入すると初期型以外でもPS2ソフトを遊べるようになるんですよ。
これはPS3のシステムソフトウェアを改造し、本来は持っていない機能を追加する方法になります。
CFWというのはゲーム機の機能を追加したり変更したりするいわゆる改造。
このCFWを導入することで、PS2のゲームディスクから吸い出したISOファイルをPS3本体のストレージに入れ、そこから起動させることが可能になります。
これによりPS3だけでなくハードウェア的に互換性を持たないモデルでも、エミュレーションによってPS2のゲームを動作させられる場合があります。
ただこの方法はメーカーが想定していない使い方であり多くのリスクを伴います。
改造のリスクと注意点
CFWの導入は専門的な知識を必要とするだけでなく以下のような重大なデメリットや危険性があります。
- 故障のリスク: システムを書き換える過程で失敗すると、PS3が起動しなくなる、いわゆる「文鎮化」という状態に陥る可能性があります。
- メーカー保証の対象外: 本体を改造した場合、当然ながらソニー・インタラクティブエンタテインメントの保証や修理サポートは一切受けられなくなります。
- オンライン機能の制限: 改造された本体でPlayStation Networkに接続すると、アカウントを停止(BAN)される危険性が非常に高いです。
このようにCFWの導入は大きなリスクを伴う行為。
手軽な方法ではな、あくまで自己責任で行う最終手段の一つとして認識しておいてください。
ゲームアーカイブスで購入して遊ぶ
初期型以外のPS3でPS2のソフトを遊ぶための公式で安全な方法が「PS2ゲームアーカイブス」です。
これはPlayStation Storeを通じてPS2の名作ソフトをダウンロード購入できるサービスです。

購入したゲームはPS3本体のストレージに保存されるため、ディスクの入れ替えをすることなくいつでも手軽に起動して遊ぶことができます。
この方法であればPS3のモデルを問わず全てのPS3で対象のPS2ソフトを楽しむことが可能です。
購入方法はPS3をインターネットに接続し、ホームメニューの「PlayStation Network」から「PlayStation Store」にアクセス。
ストア内で遊びたいPS2ゲームアーカイブスのタイトルを探し購入手続きを行えばダウンロードが始まります。
なお、現在PS3のストアではクレジットカードによる直接決済ができないため事前にPlayStation Networkアカウントのウォレットにチャージしておく必要があります。
チャージはパソコンやスマートフォンから行うかコンビニなどで販売されている「プレイステーション ストアカード」を利用します。
アーカイブス版のメリットとデメリット
PS2ゲームアーカイブスは手軽で便利なサービスですが、実機や初期型PS3でディスクをプレイする場合と比較してメリットとデメリットの両方が存在します。
まずは何と言っても手軽さが大きなメリット。
PS3本体とインターネット環境さえあればソフトをダウンロードするだけでプレイできます。
中古の初期型本体を探す手間やディスクを保管する場所も必要ありません。
そして一部のタイトルは中古のディスク価格が高騰している場合でも、アーカイブスでは固定価格で購入できます。
DL版は基本割引が少ないので割高になりがちですが、レトロなPS2であれば結果的に安く入手できることがあります。
さらにハードの集約も便利な点。
PS3のゲーム、PS1のゲーム、そしてPS2ゲームアーカイブスを全て1台のPS3で管理できるためテレビ周りの機材を増やさずに済みます。
逆に最大のデメリットは、配信されているタイトルの数が非常に限られている点です。
PS2で発売された全ソフトのうちアーカイブス化されているのはごく一部(約120本程度)に過ぎません。

遊びたいゲームが配信されていない可能性が高いです。
そしてアーカイブス版だからといってグラフィックがHDリマスターされているわけではありません。
前述のアップコンバートやスムージング機能は利用できますが基本的にはPS2時代の画質そのままであると考えた方がよいでしょう。
さらにデジタル配信サービスは、将来的には提供が終了する可能性もゼロではありません。
そうなると追加のDLはもちろんプレイに支障が出る可能性もあるでしょう。
正直なところ遊べるタイトルの少なさが最大のデメリットですね。
ほとんどのソフトが対応してないので、あなたの遊びたいソフトが含まれているか事前にチェックしてからサブスクを始めてください。
参考:PS1で正常に遊べないソフト
上でも触れてますがPS3は全てのモデルでPS1のソフトとの後方互換性を持つと公式に発表されています。
基本的にはPS1のゲームディスクを本体に入れれば問題なく遊ぶことができます。
しかし膨大な数のPS1ソフトの中にはごく稀にPS3との相性が悪く、正常に動作しないタイトルが存在することが報告されています。
具体的には以下のような不具合が発生するケースがあります。
これらの不具合は全てのゲームで発生するわけではなく特定のタイトルでのみ確認されています。
- ドラゴンクエストモンスターズ1・2
- サモンナイトⅡ
- ロックマン2
- サイレントヒル
などなど。
もし思い入れのあるPS1ソフトをPS3でプレイしようと考えている場合は念のため、事前にインターネットなどで「(ソフト名) PS3 互換性」といったキーワードで検索。
そのゲームに不具合の報告がないか確認しておくとより安心して楽しむことができるでしょう。
まとめ:PS3でPS2のソフトを遊ぶ方法
ここまでの「PS3でPS2のソフトを遊ぶ方法」に関する重要なポイントをまとめるとこうなります。
PS3の初期型さえあれば今からでもPS2、PS1のソフトを1つのハードでプレイできるのでとても便利。
ただ初期型はただでさえ不具合が多く故障しやすい、さらに大きくてファン音がうるさくて高排熱、とデメリットも多いハードです。
PS3にこだわらないのであれば薄型のPS2とPS3を別に購入したほうがいいかもしれませんね。