スーファミターボって一体何なの?
スーパーファミコンには数多くの周辺機器が存在しました。
その中でも一風変わった存在感を放っていたのがスーファミターボ。
ただこのスーファミターボとは一体何だったのか、当時の定価はいくらでどのような使い方をするものだったのか…
色々謎の多いアイテムでもあります。
また、これから中古での購入を考えている方にとっては失敗や後悔をしないための情報や現在の買取相場も気になるところでしょう。
この記事ではそんなスーファミターボの基本情報から、発売された専用ソフト一覧まで、あらゆる情報を詳しく解説!。
スーファミターボの基本情報と入手方法
スーファミターボとは?当時の定価も紹介
スーファミターボはとは簡単に言うと、1996年6月28日にバンダイから発売されたスーパーファミコン用の周辺機器です。

スーパーファミコン本体のカセットスロットに差し込むことで、専用の小型カートリッジを使用してゲームを遊べるようになるアダプタになるわけです。
当時はスーファミだけでは遊べない、このターボ専用ソフトがいくつかあったんですね。
このターボの最大の特徴はカートリッジスロットが2つある点。
これにより2つのカートリッジを同時に差し込むことが可能で、ソフトによっては片方をゲームソフト、もう片方をデータ保存用のカートリッジとして使用したりできました。
さらには挿し込まれた2つのソフトを連動させたりするなど独自の遊び方もできたんです。
当時の希望小売価格は3,980円(税別)でスーパーファミコンの周辺機器としては比較的手に取りやすい価格設定でした。
この価格で新しいゲームプラットフォームが手に入るという点で子供たちにとってはそれなりに魅力的な周辺機器だったようですね。
基本的な使い方
スーファミターボの使い方は非常にシンプルで、誰でも簡単にセットアップできます。
レトロなゲームということもあって挿し込めるところにそれぞれを挿し込めば勝手に起動してくれます。

ということもあって基本的には通常のスーファミカセットと同じように扱うことができます。
ただしスーファミと同じく端子部分が汚れていると正常に認識しない場合があるため、カートリッジや本体スロットが古い場合は無水エタノールとなどで清掃してあげてください。
また、ソフトによってはスロット1とスロット2のどちらに差し込むか指定がある場合や、2つのソフトを同時に使用する場合もあります。
中々起動しない場合は各ソフトの説明書や、今ならネットで検索してみるといいでしょう。
商業的に失敗した理由
そんなスーファミターボですが商業的に大きな成功を収めるには至りませんでした。
その背景にはいくつかの要因が存在したと言われています。
具体的にはこの3つが大きな要因ではないかと僕は考えています。
発売タイミングの悪さ
まず最も大きな要因として挙げられるのが発売された時期の悪さです。
前述の通りスーファミターボの発売日は1996年6月28日。
実はこれは次世代機であるNINTENDO64の発売日(1996年6月23日)のわずか5日後だったんですよ。
世間のゲームファンやメディアの関心は3Dグラという新たな次元を切り開いたNINTENDO64に集中していました。
ゲームの3DグラだとPSが有名で業界に衝撃を与えましたがそれよりも2年後でもあったんですね。
なのでスーパーファミコンの周辺機器という位置づけのスーファミターボは登場と同時に時代遅れの製品という印象を与えてしまい、興味関心は速攻で薄れていってしまったということ。
専用ソフトのラインナップ
さらに専用ソフトのラインナップが限定的であったことも、普及を妨げる一因となりました。
最終的に発売されたソフトは全13タイトルとごくわずか。
その大半がバンダイ製のキャラクターゲームで占められていました。
幅広いユーザー層に訴えかけるようないわゆる「キラータイトル」が存在しなかったため、スーファミターボ本体を牽引する力が弱かったと言えます。
もし多様なメーカーが参入し多彩なジャンルのゲームが供給されていれば状況は変わっていたかもしれませんね。
コンセプトの伝わりにくさ
2つのスロットを持つという画期的なコンセプトもその魅力が一般のユーザーに十分に伝わったとは言えませんでした。
ソフト間のデータ連動といった機能は一部のゲームでのみ機能、多くのユーザーにとってはその意味を感じにくいものでした。
結果としてスーパーファミコン末期に登場したユニークではあるものの、ニッチな周辺機器として歴史に名を刻むことになったのです。
現在の中古価格や買取相場をチェック
そんなスーファミターボの中古価格や買取相場はマイナーではあるんですが割と安め。
ただ本体の状態や付属品の有無によって大きく変動するのでその辺りに注意すると失敗を防げます。
2024年の市場価格を見ると本体のみ(裸の状態)であれば、おおよそ2,000円から4,000円前後で取引されることが多いようです。

一方で外箱や取扱説明書が揃ったいわゆる「箱説付き」の美品になると価格は大きく跳ね上がります。
状態の良いものでは8,000円から15,000円、あるいはそれ以上の価格で取引されることも珍しくありません。
買取価格の相場
買取価格についても販売価格と同様の傾向が見られます。
本体のみの場合、買取価格は数百円から1,500円程度が一般的です。
しかし箱説付きの美品であれば数千円単位での上乗せができるので持ってる人は大切にしましょう。
特にレトロゲームを専門に扱う店舗では状態の良いスーファミターボは高く評価される傾向にあります。
もし手元に不要なスーファミターボがある場合は複数の店舗で査定を比較してみることをお勧めします。
スーファミターボのソフトと現代の遊び方
発売された専用ソフト一覧を振り返る
スーファミターボ向けに発売された専用ソフトは先ほど触れたように全部で13タイトル存在します。
バンダイが発売元ということもありキャラクターもののゲームが多いのが特徴ですね。
発売日 | タイトル名 | ジャンル |
1996/07/19 | SDガンダムジェネレーション 一年戦争記 | SLG |
1996/07/19 | SDガンダムジェネレーション グリプス戦記 | SLG |
1996/08/09 | SDガンダムジェネレーション アクシズ戦記 | SLG |
1996/08/09 | SDガンダムジェネレーション 第一次ネオ・ジオン戦役 | SLG |
1996/09/27 | SDガンダムジェネレーション バビロニア建国戦記 | SLG |
1996/09/27 | SDガンダムジェネレーション ザンスカール戦記 | SLG |
1996/09/27 | 激走戦隊カーレンジャー 全開!レーサー戦士 | レース |
1996/12/20 | SDウルトラバトル ウルトラマン伝説 | アクション |
1996/12/20 | SDウルトラバトル ウルトラセブン伝説 | アクション |
1996/12/20 | ゲゲゲの鬼太郎 妖怪ドンジャラ | テーブル |
1996/12/27 | 美少女戦士セーラームーン セーラースターズ ふわふわパニック2 | パズル |
1996/12/27 | クレヨンしんちゃん 長ぐつドボン | ボード |
1997/03/28 | ぽいぽい忍者ワールド | アクション |
大半がGジェネ、そのほかはウルトラマンやセーラームーンとなっています。
人気ソフトSDガンダムジェネレーション
スーファミターボのソフトの中でも特に知名度が高いのが、「SDガンダムジェネレーション」シリーズです。
今でも新作が発売されるガンダムの宇宙世紀の歴史を追体験できるシミュレーションゲームで全6タイトルが発売されました。
ターボのGジェネシリーズが注目されるのは2つのスロットを活用した連動機能があったことが理由。
例えば「一年戦争記」と「グリプス戦記」のカートリッジを同時に差し込むことで一年戦争で育てたユニットをグリプス戦記に登場させるといった連動要素があったんです。
これは他のシリーズにはないスーファミターボならではの画期的なシステムと言えるでしょう。
ゲームシステムは今と変わらずシンプルながらも奥深く、モビルスーツの生産やキャラクターの育成などやり込み要素も豊富でした。
後の「SDガンダム GGENERATION」シリーズの原点ともいえる作品でありガンダムファンにとっては見逃せないタイトル群です。
SDウルトラバトルシリーズの魅力
「SDウルトラバトル」シリーズもまたスーファミターボを代表する人気タイトルです。
こちらは「ウルトラマン伝説」と「ウルトラセブン伝説」の2作品が発売されました。
ジャンルは対戦型のアクションゲームでデフォルメされたウルトラヒーローや怪獣たちがリング上でのバトルを繰り広げます。
操作は比較的簡単で誰でも気軽に必殺技を出せるのでシリーズ初プレイの方にも親切な設計でした。
このシリーズも2つのカートリッジを連動させることが可能で「ウルトラマン伝説」と「ウルトラセブン伝説」を同時に差し込むと、隠しキャラクターが使用可能になるという特典がありました。
今でも友達と集まって対戦すれば盛り上がるお祭りパーティゲームの側面が強いですね。
激走戦隊カーレンジャーも人気作
「激走戦隊カーレンジャー 全開!レーサー戦士」は、当時放送されていた特撮番組「激走戦隊カーレンジャー」を題材にしたレースゲームです。
プレイヤーはカーレンジャーのメンバーとなりボーゾックとレースで対決します。
こちらもパーティ系のレースゲーム要素が強くてアイテムを使ってライバルを妨害したり、原作さながらの必殺技を繰り出したりとキャラクターゲームとしての魅力も十分に備えています。
マリオカートのようなコミカルで明るい原作の雰囲気がうまく再現されており、子供から大人まで楽しめる内容になっています。
とりわけスーパーファミコン末期には数多くのキャラクターレースゲームが登場しましたが、本作もその中の一つとしてファンから根強い人気を誇っています。
ということもあって中古市場ではかなり高額になっていて、今ではソフト単品で1万円を超えています。
気になる人はこれ以上高騰する前に手に入れておいた方がいいでしょう。
レトロフリークで遊ぶことはできる?
レトロゲームを1台で楽しめる互換機として人気の「レトロフリーク」ですが、残念ながらスーファミターボのカートリッジには対応していません。
これは単純にスーファミターボが通常のスーファミカセットとは形が違うから。
なのでレトロフリークのアダプタに物理的に差し込むことができないので接続ができないということです。
レトロフリークにはスーファミ用の拡張アタッチメントも販売されてますがそこでもターボは対応していません。
そのためスーファミターボのゲームを遊びたい場合は基本にて気にスーパーファミコンの実機とスーファミターボ本体を用意する必要があるということです。
エミュレータでプレイする方法と注意点
スーファミの実機が手元にない場合、パソコン上でスーファミゲームを動作させる「エミュレータ」を利用してプレイする方法もあります。
エミュレータを使用すれば実機がなくてもスーファミターボのゲームを楽しむことが可能です。

しかし、エミュレータの利用には法律に関する重要な注意点があります。
ゲームソフト(ROMイメージ)をインターネット上からダウンロードする行為は基本的に違法。
正規にプレイするためには自分自身が所有しているカートリッジから「吸出し機」と呼ばれる専用の機材を使ってROMイメージを抽出する必要があります。
この方法はダンパーと呼ばれるPCと接続する機器が別途必要です。

手軽に遊べるというメリットはありますがこういった法的なリスクや専門知識の必要性といったデメリットも存在します。
これらの点を十分に理解した上で自己責任において利用してくださいね。
総まとめ!スーファミターボの魅力とは
ここまでのスーファミターボの情報をまとめるとこうなります。
スーファミとついてるものの新ハードなどではなく周辺機器だったんですね。
専用ソフトが遊べるという点ではPS2のアイトーイやNew3DSに近い所があるかもしれません。
スーファミの全ソフトを制覇してみたい、という人は手に取ってみてはいかがでしょうか?