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攻略本が売れないっていうのは間違い?ゲーム攻略から設定資料集へ

「ゲームの攻略本って最近じゃ全然見ないな…」

「もう売れてなさそうだし必要ないんじゃない?」

昔はゲームとセットで買ってた人も多い攻略本。

ただ最近はほっとんど買う人もいないし(印象)、売れてない(イメージ)ですよね…

でも実際はそんなことない!

ということを声高に発信したいと思い立ったので攻略本の現状をまとめてみました。

解説ポイントまとめ

  • 100万本近く売れた攻略本あり
  • 攻略本は設定資料集としての役割が強い
  • Wikiなどの発達で本来の役割は終わりつつある

この辺りがポイント。

攻略本結構買ってたんだよな~という人は懐かしみながら見ていってくださいね!

攻略本が売れないっていうのは間違い

まず前提としてゲームの攻略本は今でも売れてるということ。

結構意外ですよね?

最近のデジタル化の流れで普通の本はもちろん攻略本の売上も落ちてる印象が強いかと思います。

攻略本と売上

  • 売上ランキングから見る攻略本
  • あつ森攻略本は爆発的に売れた
  • 全体数としては減少傾向

ポイントとしてはこの辺り。

売上ランキングから見る攻略本

まずは売上ランキングを見てみましょう。

https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2212/02/news080.html

こちらは2022年の書籍全ての売上ランキング。

なんと自己啓発や写真集と混ざって7位にポケモンの攻略本がランクインしてるんです!

https://twitter.com/qjDMm7PW4Sy4Uub/status/1621807624659554304

それがこのSVポケモン大図鑑。

この時点ですでに売上70万本を突破していたとのこと。

ポケモンは総じて売り上げが高く、

ポケモンSV攻略本売上
ポケモンSV攻略本売上

2023年2月と遅れて発売した攻略本でも初週6万本を売り上げてます。

年間売り上げを見るとまだまだ売れてるどころかミリオン手前まで売れる人気はあるんですよね。

あつ森攻略本は爆発的に売れた

中でもこういった攻略本ブームを作ったのがあつ森。

あつ森攻略本
あつ森攻略本

速攻で70万部を突破して出版社が異例の売上本数を公表してました。

2022年発売、デジタル版の存在を考えると累計だと100万本近く売れてるでしょうねぇ…

そしてこれに影響を受けて他の攻略本もじわりと売上伸ばしてるんですよ。

攻略本市場は『ポケットモンスター ソード・シールド』『ファイナルファンタジーVII リメイク』などの注目作の攻略本が売上を伸ばし、『あつ森』を除いた場合でも2019年上半期と比較して1.3倍となっています。

https://t011.org/game/173633.html

これまで攻略本に触れてこなかった世代があつ森のおかげで、

「攻略本結構ええやん!」

となったのかなと予想。

とにかく攻略本の売上は思ったよりあるということが分かったかなと思います。

全体数としては減少傾向

ただ全体的な売り上げとしては減少傾向にあります。

これは昔の書籍売上部数を見ると分かります。

https://entamedata.web.fc2.com/hobby/hit_book_all1986.html

これは1986年の書籍全体の売上ランキング。

マリオやツインビーといった攻略本がランクインしてますね!

この周辺の年もランク10位内に1種類くらい毎年ランクインしてきてるんですよ。

ただ最近だとあつ森攻略本の前にヒットをかましたのは妖怪ウォッチ。

その前はDSのどうぶつの森にまで遡ります。

本そのものが売れなくなってることも相まって攻略本界隈自体が小さくなってることは事実。

売れるもの売れないものの差がよりはっきりしたとも言えますね。

攻略本が売れなくなった理由3つ

突出した売り上げはあるものの全体的には落ち目。

そんな現状が分かったところでなんでこんなことになったのかを見ていきます。

攻略本低迷の理由3つ

  • Wikiやゲームメディアの存在
  • アプデ有りのゲームが増加
  • 適当攻略本が淘汰された

その理由はこの3つ。

ゲームを日々やってる人ならなーんとなく「やっぱそうかぁ」と思う部分もあるかなと思います。

ゲームやネット周りが進化しすぎましたよねぇ…

1、Wikiやゲームメディアの存在

まず思いつくのはWikiやGAMEwithなどのネットメディアの存在です。

この辺りが攻略情報をすぐにアップするので攻略本を買う必要がなくなってきたんですよ。

攻略本だと早いものはゲームと同時発売されますが基本情報は薄目。

薄い攻略本
薄い攻略本

こういったぺラいタイプ。

しっかりした情報が出そろう本となると数か月かかっちゃうんですよ。

でもWikiなどだと内容が分かり次第更新できるのでスピードがめちゃくちゃ速いです。

ここで情報を確認できちゃうのでもう本なんて買う必要がなくなるということ。

もちろん雑な情報な所もあるんですが…

それを保管してくれるのがSNSの存在。

ツイッターで有用情報が流れてくる

ツイッターだと使える攻略情報はいいねRTがかなり伸びるので勝手に流れてきます。

金策とか経験値稼ぎとかその辺りは本当早い…

ということでツイッターの使い方が上手い人はWikiすら必要じゃなくなるわけです。

この情報の高速化についていけないことが攻略本衰退の大きな要因なんですね。

2、アプデ有りのゲームが増加

さらにはアプデ有りのゲームが増えたことも理由の1つ。

アプデがあると本で発売したころには古い情報になっちゃうんですよ。

アップデートは対戦ゲーだけじゃなく一人用でも最近は多いです。

アプデの修正点

  • キャラや武器の強さ調整
  • バグの修正
  • 新キャラ追加
  • CPUの強さ、行動パターン変更

こんな感じで少し前の攻略情報が役に立たなくなることがめっちゃあるんです。

攻略本だと内容を考えて執筆して印刷して販売して…ってことをやるので情報がどうしても古くなります。

正直古い情報を元にした攻略なんて知る意味ないですよね。

だから売り上げが落ちていっちゃってるわけです。

ドラクエなんかの完全一人用ゲームでもアプデ有る時代なんで紙媒体だとかなり難しい課題ですね…

3、適当攻略本が淘汰された

3つ目は適当な攻略本が淘汰されたという理由。

過去に騙されたことで攻略本に不信感を抱いてる人が増えてるからですね。

上で触れたVジャンプ系の攻略本なんてまさにそう。

ダメ攻略本の特徴

  • ストーリー攻略を途中で終わらせる
  • 真実は君の目で確かめてくれ!エンド
  • 内容もただストーリーや設定をなぞっただけ
ダメ攻略本の締め
ダメ攻略本の締め

いや!そこを知りたいんだけど!

と、当時攻略本を買ったキッズはみんな思ったことでしょう。

こうやって騙され続けたことによって攻略本自体を買わなくなる。

⇒そこにアプデ有りゲームの増加なども相まってどんどん売れなくなっていった流れです。

ゲーム攻略本がこれから生き残るには

とはいえ僕も攻略本大好きなので生き残っては欲しいわけですよ。

でも今まで通りのやり方だと淘汰されてくのは正直時間の問題です。

ただ生き残る可能性がないわけじゃありません…!

生き残りの方法3つ

  • やりこみ重視の攻略本にする
  • 挿絵や画像イラストを多く採用
  • 価値のある特典を付ける

この辺りが攻略本がネットに勝ちうるポイントかなと思います。

1、やりこみ重視の攻略本にする

まずはやりこみ重視した内容にすること。

やっぱり薄っぺらいスピード重視の内容だとWikiとかには勝てないんですよ。

だからこそじっくり時間をかけて普通はしないくらいのプレイ、検証をすると買う価値が出てきます。

やりこみプレイ

  • スキル振りを全パターン試す
  • レアアイテムの確率検証
  • 2択の選択肢をどっちもプレイ

昔で言うとドラクエやFFのあるき方シリーズがこんな感じですね。

Wiki系は素早く網羅的に情報得るには最適なですがそこまでやりこんでないことが多いんですよ。

そこの補完を紙媒体で見やすくまとめてあげるわけですね。

上で紹介したあつ森攻略本も情報たっぷり極厚本。

こういうものの方がこれからの時代には求められます。

2、挿絵や画像イラストを多く採用

他には挿絵や画像を多く使うことも重要。

こういったイラストはWikiなどでは絶対敵わない要素だからです。

攻略本にはゲーム内のアイテムやキャラの絵が描かれてるものが結構あるんですよ。

これってかなり評判いいんですよね!

僕も子供時代ドラクエ5の攻略本を買ったら武器の挿絵がかなり丁寧に描かれていて驚いた記憶があります。

ああいう武器って名前と攻撃力だけでビジュアルが全くわからないんですよね。

「ドラクエのドラゴンキラーってなんだ…?どうやって攻撃するんだ…?」

と疑問に思ってましたw

ちなみにドラゴンキラーはコレ。

Wikiは情報には長けてますがイラストなんかが丁寧に入ったものは存在しません。

コストの関係でそこまでできないんでしょうね。

ここを極めることで読み物としての価値、半分設定資料集化して生き残りを図るわけです。

ポケモン図鑑が爆発的に売れたのもポケモンのイラストがじっくり見られる部分が大きかったんじゃないでしょうか?

3、価値のある特典を付ける

あとは価値のある特典を付けるっていうのもかなり有効な作戦。

こうすると特典目当てで売上部数がめっちゃ伸びるんですよ。

よくある特典

  • 限定カード
  • アイテムが手に入るコード
  • 攻略本限定コスチューム

予約特典でこういったことやってる所が多いですが攻略本でもイケます。

日本人っていうのはやっぱり特典に弱くて、ゲームボーイで一番売れたソフトもマリオやカービィじゃありません。

神のカード入り遊戯王
神のカード入り遊戯王

この神のカードが封入した遊戯王のゲームなんですよね。

攻略本そのものの価値が上がるわけじゃないのでドーピング的な感覚もありますが一応部数は伸びます。

ちょっと反則ですが攻略本文化を途絶えさせない方法としてはアリ!…かも?

【まとめ】×:攻略本は売れない 〇:売れる攻略本が変わった

解説ポイントまとめ

攻略本が売れないのは間違い

  • 書籍年間売上ランキングにランクイン
  • あつ森、ポケモン攻略本は爆発的に売れた
  • 全体数としては減少傾向

攻略本が廃れた理由3つ

  • Wikiやゲームメディアの存在
  • アプデ有りのゲームが増加
  • 適当攻略本が淘汰された

ここまでをまとめるとこうなります。

攻略本で売れるもの、売れないものがハッキリしだしたのが現状という感じですね。

正直ゲーム自体がもっと売れてればそれに合わせて攻略本も売れていくんですよ。

でもあつ森レベルで売れるゲームも少なくなりソシャゲもどんどん増加。

ゲーム業界の流れとしては攻略本にとっては逆光になってます。

ただあの紙で見る感じは僕も大好きなのでこれからも何とか生き残ってほしい所です!

これからはゲームとセットで攻略本も買うかな…

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