PSPのバッテリーが膨張してるんだけどどうしたらいいの?
しばらく使っていなかったPSPを久しぶりに起動しようとしたらバッテリーがパンパンに膨張してる…!
こんなPSPのバッテリー膨張は放置すると爆発する危険性も指摘されておりすぐに対処しないと結構危険なんです。
とはいっても膨張の原因がなぜ起こるのか、膨張したバッテリーがまだ使えるのか見分け方や確認方法が分からず困っている方も多いのではないでしょうか。
さらに、いざ処分しようとしても捨て方が分からず悩むケースは少なくありません。
例えばヤマダ電機などの家電量販店にある回収ボックスや一般的なリサイクル協力店では、膨張したバッテリーの回収を断られることがほとんど。
かといってメーカーであるソニーへ回収を依頼するにも手順が分かりにくいかもしれません。
そうこうして安全な交換のための外し方や処分するまでの正しい保管方法を知らずにいると思わぬ事故につながる可能性もあります。
この記事ではそんなPSPのバッテリー膨張に関するあらゆる疑問を解消します。
原因から安全な対処法そして状況に応じた正しい処分方法まで網羅的に解説していきますのでぜひ参考にしてください。
PSPのバッテリー膨張の危険性と原因

そもそも膨らむ原因は?なぜ?
まずPSPのバッテリーが膨張する主な原因は、内部で使われている「リチウムイオン電池」の経年劣化によるもの。
バッテリーに使われているリチウムイオン電池は内部にある電解液が化学反応を起こすことで電気を蓄えたり放出したりします。
しかし長期間の使用や時間の経過によってこの電解液が徐々に劣化、ガスを発生させることがあります。
過放電の状態があまり長く継続すると、電池の負極に用いられている銅箔が溶けてしまいます。この銅溶出と並行して電解液の還元分解反応が進行することによって大量のガスが発生します。
https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2101/15/news001_2.html
この発生したガスがバッテリー内部に溜まり内側から圧力をかけることで風船のように膨らんでしまうのです。
劣化を早める要因
バッテリーの劣化、つまりガスの発生を早めてしまう要因はいくつか考えられます。
一つ目は高温多湿な環境での保管です。
特に夏場の車内や直射日光が当たる場所など高温になる環境はバッテリーの劣化をかなり早めます。
湿度の高さも化学反応を促進させるので保管場所には注意が必要です。
二つ目は満充電・過放電状態での長期保管です。
バッテリーが100%の満充電状態、または0%の完全放電(過放電)の状態で長期間放置するとバッテリーに大きな負荷がかかります。
その結果劣化が進行しやすくなってパンパンになりやすくなるということ。
スマホやipadなどもそうですが長期間使わない場合は、50%程度の充電量で保管することがメーカーから推奨されているんです。
三つ目は単純な経年劣化。
PSPの初期型が発売されたのは2004年です。
たとえ使用頻度が低くても製造から長い年月が経過しているだけ、バッテリーの寿命はどんどん短くなって尽きてきているんですね。
どれか一つが原因というよりはこれらの要因が絡み合うことでバッテリーの膨張が引き起こされている、ということなんです。
見分け方と使えるかの確認
バッテリーが膨張しているかどうかはいくつかの簡単な方法で見分けることが可能です。
少しでも異変を感じたら起動する前に安全のために必ず確認してください。
まず最も分かりやすいのは、見た目の変化です。
バッテリーが膨らむとPSP本体のバッテリーカバーがしっかりと閉まらなくなったり、浮き上がったりします。
カバーを開けてバッテリー単体を見たときに表面が明らかに丸みを帯びて盛り上がっている場合は膨張していると考えて間違いありません。
他には触感、実際に触った感覚での確認。
正常なバッテリーは硬く、平らな感触ですが膨張したバッテリーは指で軽く押すと少し弾力があるような「ぷにぷに」とした感触がすることがあります。
これは上で触れたように内部にガスが溜まっている状態。
なので確認する場合は強い力で押すのは破裂の危険があるので止めてくださいね。
他には平らな場所に置いての確認。
バッテリーを机などの平らな場所に置いて、コマのように回す方法も有効です。
正常なバッテリーであればほとんど回転しませんが中央部分が膨張しているバッテリーは軽い力で押すだけでクルクルとよく回転します。
膨らんでる部分が支店になってまさにコマのようになってるからこそ起こる現象ということですね。
膨張したバッテリーは使えるか?
膨張したバッテリーは内部で異常なガスが発生している危険な状態。
たとえ一時的に充電できたりPSPが起動したりしたとしても使用を続けることは絶対にお勧めできません。
使用を続けると発熱やさらなる膨張を引き起こし、最悪の場合発火や破裂といった重大な事故につながる恐れがあります。
安全を最優先し、膨張が確認されたバッテリーは直ちに使用を中止してください。
膨らんだ状態を直すことができる?
一度膨張してしまったリチウムイオンバッテリーを安全に元の状態へ直すことは不可能です。
これは化学反応による結果だからですね。
インターネット上では「針を刺してガスを抜く」といった情報が見られることがありますがこれは非常に危険な行為。
爆発といった最悪の結果になりかねないので絶対に真似しないでください。
バッテリー内部には可燃性のガスが充満しており、外部から穴を開けるなどの衝撃を加えるとショートして発火したり爆発したりする危険性が極めて高いんですよ。
そしてこのバッテリーの膨張は内部の素材が化学的に変化してしまった結果。
固く言うとこれは元に戻すことのできない不可逆な変化であり、修理や再生はできません。
PSPのバッテリーは使い捨てで、膨張したバッテリーは交換・処分する以外の選択肢はないと思ってください。
放置は危険!爆発の可能性について
膨張したバッテリーを「いつか処分しよう」とそのまま放置し続けることはかなり危険。
膨張はバッテリー内部でガスが発生し続けているサインであり、時間の経過とともにさらに膨らみが大きくなる可能性があります。
膨張が限界に達するとバッテリーの外装が破損し、内部の物質が漏れ出したり空気と反応して発火したりする恐れがあるんです。
特に、以下のような状況は爆発や発火のリスクをさらに高めるため注意が必要。
まず衝撃や圧力を加えること。
落としたり上に物を置いたりすることで内部がショートし、事故の引き金になることがあります。
そして意外なところで温度の急激な変化も重要です。
急に暖かい場所へ移動させるなどの温度変化もバッテリー内部の状態を不安定にさせる要因となり得ます。
膨張したバッテリーはいわば「小さな爆弾」を家に置いているような状態。
自分や家族、家財を守るためにも異変に気づいたら放置せず後述する正しい方法で速やかに保管・処分を進めることが大切です。
PSPバッテリーが膨張した時の正しい対処法

安全な一時的保管方法について
膨張したバッテリーを発見したら処分するまでの間、安全に一時保管することが何よりも重要です。
以下の手順に従って事故のリスクを最小限に抑えましょう。
まずPSP本体の電源がオフになっていることを確認しバッテリーを丁寧に取り外します。
次にバッテリーの金属端子部分(プラスとマイナスの接点)をビニールテープやセロハンテープなどの絶縁テープで覆ってください。
これにより、他の金属類と接触してショート(短絡)するのを防ぎます。
そして保管容器を用意。
最もベストなものは蓋つきの金属製の缶など燃えにくい丈夫な容器です。
お菓子の缶などが代用できますが密閉性の高すぎるものはガス圧で破損する可能性もあるので少し余裕のある大きさが良いでしょう。
容器の中にバッテリーが動かないように砂や土を入れるとさらに安全性が高まります。
最後にその容器を直射日光が当たら、高温多湿にならない、風通しの良い涼しい場所(玄関の土間など)で保管。
万が一発火した場合に備え周囲に燃えやすいものがない場所を選ぶことが肝心です。
さらにこの状態でも長期間保管はせず、できるだけ速やかに処分するようにしてください。
バッテリー交換のための安全な外し方
膨張したバッテリーは新しいバッテリーと交換するために本体から取り外す必要があります。
安全に作業を行うための外し方としては以下の手順が無難です。
まず、必ずPSP本体の電源を完全にオフにしてください。
次に本体側面にあるバッテリーカバーのくぼみや隙間に指の爪をかけ、ゆっくりとカバーを開けます。
バッテリーパックの上部(または下部)に、指をかけやすいくぼみがあります。
そこに指をかけ、バッテリーを手前に引き出すようにして取り外します。
膨張で取り外しにくい場合の注意点
バッテリーが大きく膨張していると内部で引っかかって簡単には取り外せない場合があります。
このような状況、ドライバーなどで無理にこじ開けようとしたり、強い力で引き抜こうとしたりするのは絶対にやめてください。
バッテリーに傷がつき、発火や破裂の原因となります。
もし自力で安全に取り外すことが困難な場合は無理をせず、後述するメーカー(ソニー)のサポートに相談することをお勧めします。
リサイクル協力店の回収対象外に注意
不要になった充電式電池は一般社団法人JBRCが連携するリサイクル協力店(家電量販店やホームセンターなど)で回収してもらうのが一般的です。
しかしここで大きな注意点があります。
JBRCの公式なルールとして膨張、破損、水濡れしたバッテリーは回収対象外と定められているんですね!
廃棄方法(回収対象/対象外説明)
JBRC回収ページ
解体された電池パック、破損電池、膨張や水濡れした電池、ハードケースに入っていないラミネートタイプの電池等は回収対象外です。
これは輸送中や保管中に発火・破裂するリスクがあり安全を確保できないため。
そのため膨張したPSPのバッテリーを何も知らずにリサイクル協力店の回収ボックスに入れてしまうと、火災などの重大な事故を引き起こす原因になりかねません。
リサイクル協力店はあくまで正常な状態の使用済みバッテリーを回収するための窓口。
膨張という異常事態が発生したバッテリーはこのルートでは処分できないことを必ず覚えておいてください。
ヤマダ電機の回収ボックスでの捨て方
ヤマダ電機のような大手家電量販店では小型充電式電池の回収ボックスを設置している店舗が多くあります。
しかし、前述の通りこれらの回収ボックスはJBRCのルールに則って運用されています。
したがってヤマダ電機の回収ボックスを利用した捨て方においても、膨張したバッテリーを入れることはできません。
もし店頭の回収ボックスに「膨張した電池は入れないでください」といった注意書きがなくても、安全上の理由から絶対に入れないようにしてください。
店舗によってはスタッフに直接相談することで対応してもらえるケースもゼロではないかもしれませんが、基本的には断られる可能性が高いです。
膨張バッテリーの処分に関しては家電量販店に持ち込むのではなく、まずはメーカーや自治体へ相談するのが正しい手順となります。
純正品はソニーへ回収を依頼しよう
膨張したPSPのバッテリーが純正品である場合、最も安全で確実な処分方法はメーカーであるソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)に回収を依頼すること。
SIEでは安全上の観点から自社製品の膨張バッテリーを自主回収するサポート体制を整えています。
問い合わせは、電話よりもLINEの公式サポートアカウントを利用するのがスムーズです。
そうすると専用の回収キットを送付する手配を進めてもらえます。
後日運送業者が回収キットを持って自宅を訪問してくれるのでその場で膨張したバッテリーを梱包し、ドライバーに渡すだけで手続きは完了。
費用はかかりませんよ。
注意点:純正品のみ対象
このメーカー回収は、あくまでソニー製の純正バッテリーのみが対象です。
サードパーティ製の互換バッテリーは対象外となるため注意が必要です。
処分方法 | 対象バッテリー | 膨張・破損品の対応 | 手順・窓口 |
ソニー(SIE) | 純正バッテリーのみ | 対応可能 | LINEサポートから 回収キットを依頼 |
リサイクル協力店 | JBRC会員企業のバッテリー | 回収対象外 | 店頭の回収ボックスや スタッフへの引き渡し |
自治体 | お住まいの地域のルールによる | 自治体ごとに異なる(要確認) | 役所の担当窓口 (環境課など)へ問い合わせ |
サードパーティ製品や何らかの理由でメーカーに回収を依頼できない場合はお住まいの自治体(市役所など)の廃棄物担当課に相談してください。
「膨張したリチウムイオン電池の処分方法」について問い合わせれば適切な処分場所や方法を案内してもらえます。
新しいバッテリーの購入・選び方
処分の見通しが付いたら次は代わりのバッテリー購入。
PSPは何らかのバッテリーを付けていないと起動できませんからね。
上で触れた回収可能な純正バッテリーでもいいですが他社製であっても今ではいいものが揃っています。
ただこのバッテリー選びで注意したい点として、PSPのモデルによって対応してるバッテリーが違うということ。
PSP-1000 | PSP-2000 | PSP-3000 | |
---|---|---|---|
1000用バッテリー | 〇 | × | × |
2000用バッテリー | × | 〇 | 〇 |
3000用バッテリー | × | 〇 | 〇 |
PSPには基本的に1000、2000、3000という3つのカテゴリがあります。
この中で2000、3000は同じ括りとしてバッテリーが製造されています。
ただ初期モデルの1000だけはそれ以降の2つのモデルと若干形状が違うのでちゃんとハマらないんですよ。
一応バッテリーパック内に収めることはできますがカバーが閉まりません。
なのでバッテリーむき出しの状態でプレイしないといけなく危険なのと、最適化されてるわけではないので予想外の不具合も起こり得ます。
このリスクがあるのでバッテリー選びは概要欄に書いてあるであろうPSPのモデルに適応したものを選びましょう。
モデルの見分け方は以下記事を参照。
バッテリー容量の選び方
バッテリーの容量はできるだけ多いものをオススメします。
このバッテリー容量こそがPSPのプレイ時間を決める要素だからです。
大体の目安としてはこのくらい。
純正品がいいという人は少し高価ですがいまだにアマゾンで販売しているのでこちらを。
残念ながら純正でPSP1000用のものは販売していませんでした。
非純正でも構わないという人は2400mAhという大容量バッテリーが販売しているのでこちらがいいでしょう。
PSPのバッテリー膨張の適切な処分まとめ
ここまでのPSPのバッテリーが膨張する原因から、危険性、そして安全な対処法と処分方法についてをまとめるとこうなります。
PSPを起動していなくてもバッテリーは劣化して膨張していきます。
中古で購入する際はPSPそのものの状態とバッテリーの状態も併せて見ておくといいでしょう。
バッテリー欠品だと安くなるので自分で別途購入すること前提で本体を買ってもいいですね。