PSPのメモリースティックってどういう意味があるの?
今でも根強い人気を誇るPSP。
レトロゲーになった今こそ久しぶりに楽しみたいと考えている方も多いのではないでしょうか。
しかしゲームのセーブなどに不可欠なPSPのメモリースティックについて何に使うものなのか、そもそもメモリースティックなしでも遊べるのかゲーム開始までの準備段階で疑問になる点です。
さらに現売ってる場所はどこかか、最大容量はどれくらいか、読み込まない時の対処法、そして基本的な入れ方や取り出し方まで、時期が経過しすぎて分からないことも多いでしょう。
さらにコストを抑えるための100均製品での代用やmicroSDカードが使える変換アダプタの存在、128GBといった大容量が使えるのかという点も気になるところです。
この記事ではそうした疑問を解消しあなたのPSPを蘇らせる手助けをしていきます!
PSPメモリースティックの基礎知識

そもそも何に使う?なしでも遊べる?
PSPのメモリースティックの用途は主に以下の三つ。
この三つです。
今現在ではセーブデータ保存のための役割が一番多いでしょうか。
じゃあメモリースティック無しで遊ぶことはできないの?
これについてはゲームの媒体によって答えが異なります。
UMDと呼ばれるディスク版のソフトであれば、メモリースティックがなくてもゲームを起動してプレイすること自体は可能。
ただしプレイデータをセーブすることが一切できないため、電源を切ると進捗は全てリセットされてしまいます。
RPGのように長時間のプレイが前提となるゲームではセーブ機能が使えないのは現実的ではないでしょう。
そのためUMD版のソフトを快適に遊ぶ上でもメモリースティックは必須のアイテムと考えられます。
一方でダウンロード版のゲームソフトはソフト本体をメモリースティックに保存するためメモリースティックがなければそもそも遊ぶこと自体ができません。
UMDでもDL版でもメモリースティックはPSPで遊ぶうえでほぼ必須のアイテムと言っていいでしょう。
PROデュオなど対応メモリーの種類
PSPで使用できるメモリースティックにはいくつかの種類が存在します。
まずはメモリースティック デュオ。
これは初期のPSPで主に対応していた標準的な規格です。
現在ではほとんど生産されておらず中古市場で探すことになります。
次にメモリースティック PRO デュオ。
「メモリースティック デュオ」の上位規格にあたり、より大容量のデータ保存と高速なデータ転送が可能になりました。
PSP-1000からPSP-3000、PSP Goまでの全モデルで対応しており、現在PSP用のメモリースティックを探す場合この「PRO デュオ」が基本の選択肢となります。
SONY純正品のほかSanDiskなどからもライセンス製品が販売されていました。
他にはメモリースティック マイクロ (M2)なんてものも。
これは主に携帯電話などで使用された小型のメモリースティックです。
PSPで直接使用することはできませんが専用のアダプターを使用することで「メモリースティック デュオ」として利用することが可能です。
本体のモデルによって対応する規格が若干異なりますが全てのPSPモデルで共通して使用できる主要な規格は「メモリースティック PRO デュオ」。
なのでこれから新たに入手するのであれば、最も普及しており汎用性の高い「メモリースティック PRO デュオ」を選ぶのが最も確実な方法です。
公式で対応している最大容量は32GB
PSPが公式にサポートしているメモリースティックの最大容量は規格上の上限である32GBです。
これを超える容量のメモリースティック PRO デュオは元々存在しないため32GBが事実上の最大値となります。
32GBの容量があれば複数のダウンロード版ゲームソフト、大量のセーブデータ、そして音楽や動画ファイルなどを十分に保存することが可能です。
PSPゲームのセーブ容量は大体5MB程度なので、一般的な使い方であればこの容量で不足を感じることはまずないでしょう。
ただし、後述する変換アダプタを使用することで理論上は32GBを超えるmicroSDカードを認識させられることも可能です。

しかしこれはSONYが公式に保証している使い方ではありません。
64GBや128GBといった大容量のカードをPSPでフォーマット(初期化)しようとするとエラーが発生したり認識しても動作が不安定になったりする可能性があります。
安定した動作を最優先するなら公式対応の上限である32GBまでのメモリースティック、または32GBまでのmicroSDカードを変換アダプタで利用するのがベターでしょう。
基本的な入れ方と安全な取り出し方
メモリースティックの取り扱いは非常にシンプル。
ただ誤った操作はデータ破損や本体の故障に繋がる可能性もあるため正しい手順を覚えておくことが大切です。
まずはPSP本体の電源が完全にオフになっていることを確認してください。
確認したら本体側面(モデルにより場所が異なりますが、通常は左側面)にあるメモリースティックスロットのカバーを開けます。

うちのPSP3000だと本体左上。
入り口を爪で引っ掛けて開けたらメモリースティックの端子部分を奥側にしてスロットにまっすぐ差し込みます。

カチッと音がしてロックされるまで指で軽く押し込みます。
取り出す前にPSPのホームメニュー画面でメモリースティックへのアクセスランプが点灯・点滅していないことを必ず確認してください。

アクセス中に抜き取るとデータが破損する危険性が非常に高いです。
確認したらスロットに挿入されているメモリースティックを、指で軽く奥へ一度押し込みます。
すると内蔵されているバネの力でメモリースティックが少し手前に飛び出してきます。

飛び出してきたメモリースティックを指でつまんでまっすぐ引き抜きます。
この手順を守ることで安全にメモリースティックの交換や取り出しを行うことができます。
中々言葉だけだと伝わりにくい部分があるので、ちゃんと正規の方法を知っておきたいという場合は動画もチェックしておくといいですね。
読み込まない時の原因と対処法
長年使用していなかったPSPだとメモリースティックを挿入しても「メモリーカードが入っていません」と表示されることがあります。
このような認識不良が発生した場合は以下の原因が考えられます。
自分のPSPがどれに当てはまるかは簡単なものから一つずつ検証していって確かめるといいでしょう。
ちなみによくある原因は挿入不足。
単純なことですが意外とできていない人が多いんですよ。
トラブル時の対処法
具体的な対処法としてはこの辺り。
まずはスティックの抜き差しを試してみてください。
最も基本的な対処法で、これをすることで正しく挿し込めていなかった原因は対応できます。
次は端子部分の清掃をしてみてください。
メモリースティックと本体スロットの端子部分を確認し、ホコリが見える場合はエアダスターなどで吹き飛ばします。
端子の金属部分が汚れている場合は乾いた柔らかい布で優しく拭き取ってください。
口で息を吹きかけたりすると端子が湿気を帯びてしまい逆に故障する原因になるので止めてくださいね。
さらにPCに接続できるカードリーダーなどがあればメモリースティックがPCで認識されるか試してみてください。
PCでも認識されない場合メモリースティック自体の故障の可能性が高いです。
最期はPSP本体でフォーマットするという対処。
他の機器でデータをバックアップした後、PSPの設定メニューからメモリースティックのフォーマット(初期化)を試みます。
これによりデータ構造の問題が解決することがあるんです。
ただしフォーマットすると中のデータは全て消去されるため実行には注意が必要です。
これらの対処法を試しても改善しない場合は、メモリースティックかPSP本体のどちらかに物理的な故障が発生している可能性が考えられます。
PSPメモリースティックの入手と活用術

現在メモリースティックが売ってる場所は?
「メモリースティック PRO デュオ」は生産が終了してから時間が経過しているため、新品で入手することは年々難しくなっています。
しかし現在でもいくつかの場所で購入のチャンスがあります。
主な選択肢としてはこの辺り。
まずビックカメラやヨドバシカメラといった大型家電量販店の店頭では在庫が残っていれば見つけられる可能性があります
ただし販売から10年以上経過していることや店舗の規模や地域によって在庫状況は大きく異なる状況もあるので可能性は低いです。
他には秋葉原などにあるレトロゲームや各種メディアを専門に扱う店舗では、新品や中古品が置かれていることがあります。
マニアが欲しがるアイテムに特化した店舗もあるのでむしろそういう所では新しいアイテムに当たるかもしれません。
そして現在最も確実に入手できるのはAmazonや楽天市場などのオンラインストア。
SONY純正の新品は非常に高価になっていることが多いですがSanDisk製の製品やバルク品、中古品などが流通しています。
ただ中品購入の際は出品者の評価などをよく確認することが大切です。
このように入手経路は限られていますが主にオンラインストアを中心に探すことで現在でも購入は可能です。
ブックオフなど中古での入手について
新品の入手が難しい、あるいは価格が高騰している状況で有力な選択肢となるのが中古品。
ブックオフやハードオフといった中古品を取り扱う店舗ではPSP本体やソフトと共に中古のメモリースティックが販売されていることがあります。
そんな中古品の最大のメリットは価格の安さです。
特に容量の小さいものであれば1000円以下と非常に安価で手に入れることができる可能性があります。
一方で中古品には注意すべき点も存在。
メモリースティックは消耗品であり、前の所有者の使用状況によっては寿命が近い可能性があります。
突然データが読み書きできなくなるリスクは新品に比べて高いと言わざるを得ません。
また、店舗によっては動作保証がない場合もあります。
購入時には保証の有無や期間を必ず確認するようにしましょう。
安価であることは魅力的ですが大切なセーブデータを保存する媒体であることを考えるとこうしたリスクも十分に考慮した上で判断する必要があります。
microSDが使える変換アダプタとは
純正のメモリースティックが高価で入手しにくいという問題を解決するアイテムとして「microSD-メモリースティックPROデュオ変換アダプタ」が存在します。

これは安価で入手しやすいmicroSDカードをPSPで使用できるメモリースティックPROデュオに変換するためのアダプタです。
形状はメモリースティックPROデュオと全く同じで内部にmicroSDカードを挿入するスロットが備わっています。
ここにmicroSDカードを装着しPSPに差し込むだけで通常のメモリースティックとして認識させることが可能です。
変換アダプタを利用するメリットはこの辺り。
まず最大の利点はその圧倒的なコストパフォーマンスでしょう。
32GBの容量を確保したい場合純正のメモリースティックを購入するよりも変換アダプタと32GBのmicroSDカードを別々に購入する方がはるかに安価に済みます。
- PSP用メモリースティック32GB:約10000円
- 変換アダプタ+microSD:約2000円
さらにmicroSDカードは現在主流の記録メディアでありコンビニや100円ショップでも手軽に購入できます。
アダプタ自体も上で紹介したようにAmazonなどで数百円程度から販売されており入手はとても簡単。
そして使用するmicroSDカードは他の機器(スマートフォン、デジタルカメラなど)と使い回すこともできるので無駄になりません。
注意点
これらの変換アダプタはSONYの公式ライセンス製品ではないいわゆるサードパーティー製品です。
そのため使用するmicroSDカードとの相性問題が発生したり、製品によっては動作が不安定になったりする可能性がゼロではありません。
レビューなどを参考に信頼性の高いものを選ぶといいでしょう。
変換アダプタで128GBは使えるのか
前述の通りPSPが公式にサポートする最大容量は32GB。
ただ変換アダプタとmicroSDカードの組み合わせを用いることでこの制限を超える容量を利用できる場合があります。
実際に64GBや128GBのmicroSDXCカードを変換アダプタ経由でPSPに認識させ使用している例は数多く報告されています。
上で触れたように1ソフト5MBとすると数百本のゲームを一つのカードに集約することが可能になります。
ただしこれを実現するにはいくつかの注意点と手順が必要。
FAT32形式でのフォーマット
64GB以上の大容量カードは通常「exFAT」という形式でフォーマットされています。
しかしPSPはこの形式を認識できません。
PSPで使えるようにするには「FAT32」という古い形式でフォーマットし直す必要があります。
Windowsの標準機能では32GBを超えるドライブをFAT32でフォーマットできないため別途専用のフォーマットツールをPCにインストールして作業を行う必要があるんです。
そしてたとえ認識に成功したとしても、非公式な使用方法であるため動作が不安定になる可能性があります。
例えばデータの読み込み速度が遅くなったり、特定の場面でフリーズしたりといった問題が起こることも考えられます。
全てのゲームや機能が完全に動作するという保証はありません。
このように128GBなどの大容量を利用することは可能ですがある程度の知識が必要であり潜在的なリスクも伴うことを理解した上で行う必要があります。
100均の製品で代用できる可能性
「100均の製品で代用できないか」という疑問についてですがこれは少し注意が必要。
まず「メモリースティックPROデュオ」そのものや専用の変換アダプタが100円ショップで販売されていることはまずありません。
ここで言う「代用」とは、変換アダプタと組み合わせて使用する「microSDカード」を100円ショップで調達するという意味合いになります。
ダイソーなどの大手100円ショップでは小容量のmicroSDカードが販売されていることがあります。
したがって、
「変換アダプタを別途用意し、microSDカードを100円ショップで購入して組み合わせる」
という形であれば非常に安価な記憶媒体を構築することが可能です。
ただし100円ショップで販売されているmicroSDカードはブランド品に比べて品質や耐久性、転送速度が劣る可能性があります。
頻繁なデータの書き換えや、重要なセーブデータの保存には、少し心許ないかもしれません。
コストを極限まで抑えたい場合には有効な選択肢ですがデータの安全性を重視するなら、信頼できるメーカーのmicroSDカードを選ぶことをお勧めします。
総括:PSPのメモリースティックについて
ここまでのPSPとメモリースティックについてをまとめるとこうなります。
そこまで大量にプレイするわけじゃないなら中古で容量の小さいもので十分でしょう。
ただたくさんプレイする予定があり、メモリースティックの付け替えが面倒という人は変換アダプタを使って100GB以上用意するのもあり。
まさに一生使えるだけの容量になるので、面倒ですが今後メモリの心配はいらなくなりますよ。