初期型PS3って評価いいけどなんか理由あるの?
発売から長い年月が経過した今も特定の層から熱い支持を集めるPS3初期型。
中古市場では後継機よりも高値で取引されることもあり、なぜプレミア価格がついているのか気になっている方も多いのではないでしょうか。
この記事ではPS3初期型の購入で失敗や後悔をしないためにその価値の根源である「PS2はできる?」という疑問を解消!
さらにプレミア化した理由、特に人気の高い60GBモデルの特徴について詳しく解説します。
数あるモデルの中から初期型はどれかという見分け方、壊れやすいとされる理由や修理の現状、PS2が読み込まない場合の対処法までこれから購入予定の方が気になる情報をまとめました。
なぜ人気?PS3初期型の特別な価値

後期型にはないPS2ができる互換性
PS3初期型の最大の魅力はなんと言ってもPS2のゲームソフトをプレイできる互換機能でしょう!
後継のモデルではコスト削減のために省略されてしまったこの機能がなんと初期型にはついてるんですね。
この互換機能が実現できた理由は初期モデルにのみ搭載されたCPUとGPUがあったから。
初期型PS3にはPS2の心臓部であるCPU「Emotion Engine」とGPU「Graphics Synthesizer」が物理的に搭載されていたんです。
初期のPS3にもPlayStation 2用ゲームソフトの互換性を確保するためにEE+GSが搭載されている。その後GSしか搭載していない一部モデルを経てPS3におけるPS2ゲームソフトの互換性は廃止された。
Wikipediaより引用
これによりソフトのエミュレーションでは再現が難しい高いレベルでの互換性を実現していました。
ただしこのPS2互換機能を持つモデルはごく一部。
先ほど触れたように日本国内で発売されたモデルでは2006年11月発売のHDD容量60GBモデル(CECHA00)と20GBモデル(CECHB00)のみです。
その後、海外で発売された一部のモデル(CECHCxx、CECHExx)ではCPUが取り除かれ、ソフトウェアとハードウェアを組み合わせた方式に変更されています。
そして、2007年11月以降に登場した40GBモデル(CECHH00)からは、PS2互換機能は完全に削除。
このように完全なPS2互換機能を持つモデルは非常に短期間しか製造されなかったため、その希少価値が非常に高まっているということなんです。
多機能な最上位モデルだった60GB
PS3初期型の中でも、特にHDD容量60GBモデル(CECHA00)は当時の技術の粋を集めた最上位機種として、現在でもその多機能性が高く評価されています。
PS2互換機能だけでなく以降のモデルでは次々と省略されていった数々の便利な機能が搭載されていたんですよ。
機能 | 60GB (CECHAxx) | 20GB (CECHBxx) | 40GB (CECHHxx)以降 |
PS2互換 | ◯ | ◯ | × |
SACD再生 | ◯ | ◯ | × |
USBポート数 | 4 | 4 | 2 |
カードリーダー | ◯ | × | × |
無線LAN | ◯ | × | ◯ |
20GB、60GB、それ以降を機能的に分けるとこうなります。
まず接続端子の豊富さが大きなポイント。
本体前面にはUSBポートが4基も搭載されており、コントローラーの充電や周辺機器の接続に大きな余裕がありました。

これは後期モデルでは2基に削減されてしまったため大きなアドバンテージと言えます。
さらに本体にはメモリースティック、SDカード、コンパクトフラッシュに対応したマルチカードリーダーが標準で搭載されていました。
これによりデジタルカメラで撮影した写真を手軽にPS3へ取り込みスライドショーとして楽しむ、なんてことも可能に。
音響面でもメリットは多く、高音質な音楽フォーマットである「Super Audio CD(SACD)」の再生に対応。
オーディオファンにとってはゲーム機としてだけでなく、高品質なCDプレーヤーとしての役割も果たすことができていたんです。
これらの機能はPS3を単なるゲーム機ではなく、家庭の総合AV機器として位置づけるには十分の仕様でした。
60GBモデルただのゲーム機ではなくAV機器やPCの代わりとなる「全部入り」の豪華仕様であったことを物語っています。
プレミア化したのはなぜ?
PS3初期型が現在でもプレミア価格で取引されている理由はこれまで述べてきた複数の独自機能の数々が主な理由でしょう。
後継モデルでコストダウンの対象となり次々と削除され、結果的に代替不可能な唯一無二の存在になったからです。
なかでも最大の要因はやはりPS2との高い後方互換性。
PS1、PS2、そしてPS3という3世代にわたるプレステの膨大なゲームライブラリをこの一台でほぼカバーできるという点は他のどのモデルにもない圧倒的な魅力。
当時のゲームファンにとって思い出の作品を最新の環境で手軽に遊べることはかなり大きなアドバンテージでしょう。
加えてSACD再生機能やマルチカードリーダー、豊富なUSBポートといった、ゲーム以外のエンタメ機能を備えていたことも価値を高める一因です。
特にSACD再生機能は専用のプレーヤーが高価であることを考えるとオーディオに関心のある層からの需要も集めました。
音楽再生なんてしない、という方もいますがそういう方でもUSBポートが倍存在するのはかなり使い勝手が良くなるポイントです。
これらの機能は製造コストを抑え、本体価格を下げるという市場の要請の中で失われていきました。
その結果発売当時に最高の性能と機能を備えていた初期型モデルが時を経て「失われた機能を持つ貴重なモデル」として再評価されることになったのです。
現存数が特に少ない
さらにポイントはしっかり動く初期型PS3が少ないということも。
後述しますがこの初期型は構造に色々問題を抱えていて、壊れやすいハードとなっているんです。
なので発売から10年以上経過しサポートも終了した今、満足に動かせる機体はかなり少なくなってしまっています。
この供給数の少なさもプレミア化に拍車をかけていると言っていいでしょうね、
現在の中古値段はどのくらい?
PS3初期型、特にPS2互換機能を持つモデルの中古価格はその状態や付属品の有無によって大きく変動します。
一台一台のコンディションが異なるため一概に「いくら」とは言えません、おおよその相場は以下の通り。
まず動作しない「ジャンク品」として出品されているものであれば数千円程度から見つけることが可能です。
これらは部品取りや自身で修理できる知識を持つ方向けと言えるでしょう。
一方正常に動作する完動品となると価格は大きく上がります。
本体のみで付属品が少ない場合でも1万円を超えることが多く、箱や説明書、純正コントローラーといった付属品がすべて揃っている「美品」や「極美品」となると、2万円から4万円、あるいはそれ以上の価格で取引されることも珍しくありません。
特に60GBモデル(CECHA00)の中でも、初期に日本国内で製造された「日本製」の個体は信頼性が高いというイメージから特に人気があるので高値がつきます。
フリマアプリやネットオークション、中古ゲームショップなどで価格を比較検討する際は商品の状態説明をよく読むことが大事。
その中で動作確認の有無や付属品の内容をしっかりと確認することが後悔しないための鍵となります。
買取価格の相場
PS3初期型の買取価格も中古販売価格と同様に本体の状態に大きく左右されます。
大体の目安としてはこの通り。
その希少価値から一般的なPS3の中後期モデルと比較して高値で買い取られる傾向が強いです。
大手中古ゲームショップや家電量販店での買取価格は比較的安定してますが、最高額は控えめになることが多いです。
一般的な状態のCECH-A00(60GB)で3,500円から5,000円程度が一つの目安。
もちろんこれはあくまで参考価格であり傷や汚れ、付属品の欠品があれば減額されます。
一方でレトロゲームを専門に扱う買取業者や宅配買取サービスなどではより高い査定額が期待できます。

これらの業者は初期型の価値を正しく評価してくれるので、状態が良いものであれば1万円を超える査定がつく可能性も十分にあります。
ちなみに高額な査定を引き出すためにはいくつかのポイントがあります。
まず購入時の外箱、説明書、純正のケーブル類やコントローラーなど付属品をできるだけ揃えること。
また、本体をきれいに清掃し見た目の印象を良くすることも査定額アップにつながります。
複数の業者に見積もりを依頼し最も高い価格を提示したところに売却するのも賢い方法と言えるでしょう。
購入前に知りたい初期型PS3の注意点

初期型はどれ?簡単な見分け方を解説
数多く存在するPS3のモデルの中から価値の高い初期型、特にPS2互換機能を持つモデルを見分けるのは意外と簡単。
後期のスリムモデルとは形状が大きく異なるのでまずは光沢のあるボディを持つ大型のモデルを探すのが第一歩です。
他の細かいポイントとしてはこの辺りがあります。
本体のロゴ表記
最も分かりやすい見分け方のが本体表面のロゴ。
初期型モデルでは「PLAYSTATION 3」とすべて大文字で表記されています。
60GB | 120GB |
---|---|
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中期型以降のモデルは「PS3」と表記が変更されフォントも一般的なものに変わっているため一目瞭然です。
USBポートの数
本体前面にあるUSBポートの数も重要な判断基準です。
60GB | 120GB |
---|---|
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PS2互換機能を持つCECHA00(60GB)とCECHB00(20GB)、そしてその後のCECHH00(40GB)などの初期モデル群はUSBポートが4基搭載されています。
これに対して中期型(CECH-2000シリーズ)以降のモデルは2基に削減されているのでポートの数を見るだけで判別が可能です。
ディスクスロット周りの装飾
そしてディスクスロットの飾り、装飾も初期型ならではのものになっています。
20GB | 60GB | 160GB |
---|---|---|
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60GBモデル(CECHA00)は光沢のあるシルバーのメッキパーツが使われているのに対し20GBモデル(CECHB00)にはその装飾がなく、ボディと同じブラックになっています。
本体底面の型番
最終的な確認は本体の裏側や底面に貼られているシールに記載された型番で可能。

日本国内モデルの場合「CECHA00」または「CECHB00」と記載があれば、PS2のハードウェア互換機能を持つモデルで間違いありません。
このシールが剥がされてる場合は型番を誤魔化して販売してる可能性も高くなるので、他の部分でのチェックは必須になります。
「壊れやすい」は本当?故障のリスク
PS3初期型を語る上で避けては通れないのが「壊れやすい」という評判。
これは単なる噂ではなく実際に構造上の問題を抱えており、特に有名なのが「YLOD(Yellow Light of Death)」と呼ばれる致命的な故障です。
電源ランプが一時的に黄色か、赤色に点滅して一切起動しなくなってしまう症状になります。
PS3やPS4で起きる症状になりますが、PS3の方が発症率は高い症状となっています。
ゲームホスピタルより引用
このYLODは電源時に緑色のランプが一瞬点灯した後、黄色ランプが点灯し最終的に赤色ランプが点滅して起動しなくなるという症状のこと。
この主な原因は本体内部の熱処理の問題にあると言われています。
初期型に搭載されている高性能なCPU「Cell」とGPU「RSX」は非常に発熱量が多く、長時間の使用によって発生する熱で基板上のはんだが劣化・剥離してしまう「はんだクラック」が起こりやすいのです。
特に当時使われていた鉛フリーはんだは従来の有鉛はんだに比べて融点が低く、熱によるダメージを受けやすいという特性がありました。
なので冷却ファンの性能が追いつかず内部が高温になると基板とチップの接点にクラックが生じ、YLODを引き起こします。
他にもディスクを読み込まなくなるドライブの故障なども報告されており発売から15年以上が経過した現在、正常に動作する個体は非常に貴重になっています。
中古で初期型を購入するということは常にこの故障リスクと隣り合わせであることを十分に理解しておく必要があります。
公式の修理サポートはすでに終了
PS3初期型に故障のリスクが高いことが分かったと思います。
ただ残念ながら製造元であるソニーによる公式のアフターサービス(修理サポート)はすでにすべて終了しています。
日本でのPlayStation®3のCECH-4300シリーズ本体および全てのPS3周辺機器のアフターサービス受付を、2022年4月30日(土)をもって終了いたしました。
ソニー公式サポートより引用
これは製品の発売から長い年月が経過し、修理に必要な部品の在庫が枯渇してしまったからですね。
公式発表によるとPS2互換機能を持つCECHA00(60GB)およびCECHB00(20GB)モデルのアフターサービスは2014年4月2日をもって受付を終了したとのこと。
その他の初期型モデルについても順次サポートが打ち切られています。
このため万が一YLODなどの故障が発生した場合、メーカーに修理を依頼することはできません。
現在、初期型PS3を修理するには非正規のゲーム機修理専門店に依頼するか、あるいは高度な知識と技術を持つ人が自力で修理を行うかの二択となります。
非正規の修理業者に依頼する場合でも確実に直る保証はなく、費用も高額になる可能性があります。
また、一度分解された本体は将来的にコレクターズアイテムとしての価値が下がる可能性も考えられます。
このように故障した際のリカバリーがかなり難しく手間がかかる点は初期型を所有する上で最大のデメリットと言えるでしょう。
PS2が読み込まない時の原因と対処
初期型PS3でよくあるのがPS2のソフトが読み込まないという不具合。
目的であったPS2のソフトが読み込まないというトラブルが結構あるようで、その場合メリットがなくなるので早急に対処したいところです。
この場合はいくつかの原因が考えられますので、落ち着いて一つずつ確認していくことが大切になります。
主な原因がこの4つとなります。
レンズの汚れや劣化
まずはPS3内部のレンズ汚れや劣化です。
PS3のディスクドライブにはBlu-ray Disc(BD)を読み込むための青紫色レーザーと、DVDやCDを読み込むための赤色レーザーを発する2つのレンズが搭載されています。
PS2のソフトはDVD-ROM規格であるため後者の赤色レーザー用のレンズを使用します。
このレンズがホコリなどで汚れていたり経年劣化で出力が弱くなっていたりすると、ディスクを正常に認識できなくなります。
対策としては市販のレンズクリーナーを試してみる、分解して物理的に掃除、といったものがあります。
まずは簡単にできるレンズクリーナーを試してみるといいでしょう。
システムソフトウェアの問題
次はシステムのバージョン問題。
PS3本体のシステムソフトウェアが古いバージョンである場合、一部のゲームソフトとの互換性に問題が生じることがあるんですよ。
なのでまずはインターネットに接続してシステムソフトウェアを最新のバージョンにアップデートしてみてください。
これにより読み込みの問題が解決するケースもあります。
ディスク自体の問題
次はディスクの方に問題がある場合。
見落としがちですがゲームソフトのディスク側に問題がある可能性も考えられます。
ディスクの記録面に指紋や汚れ深い傷がないかを確認しましょう。
汚れがある場合は柔らかい布で中心から外側に向かって優しく拭き取ることで読み込みが改善することがあります。
ディスクに問題があるかどうかは他のPS2本体でそのディスクを入れて起動するかどうか試してみると判断できますよ。
互換性の限界
最後は互換性がそもそもあるかないかという点。
前述の通り初期型PS3はPS2の互換性を備えていますが、それでも100%全てのソフトが完璧に動作するわけではありません。
ごく一部のタイトルでは正常に起動しなかったり、プレイ中に不具合が発生したりするケースが報告されているんですよ。
特定のソフトだけが読み込まない場合はそのタイトルがPS3での動作に対応しているか検索して情報を調べてみることをお勧めします。
まとめ:PS3 初期型の価値と現状
PS3初期型の価値、見分け方、そして中古で入手する際の注意点について詳しく解説しました。
PS3自体結構壊れやすい上、初期型は初期にしかない不具合や脆さがあるので長持ちしにくいハードになっています。
ただその反面初期型にしかない機能もあるので欲しい人にとってはヨダレが出るほどのハードにもなってますね。
どうせ買うなら長持ちさせたいので特に状態がいいものを、高いお金出して買うことをオススメしますよ!