「なんで日経ってあんなに任天堂のこと嫌いなの?」
先日日経新聞のX(旧ツイッター)でこんな記事がポストされました。
スイッチの次世代機が2015年の3月に発売!…という記事。
ただコミュニティノート付いてるようにガセ濃厚とのこと。
日経ってこれだけじゃなくて幾度となく任天堂に関してのデマ、ガセ情報を流してるんですよね。
そういえばどれだけあるんだろ…ということでこれまでのガセ情報をまとめてみました。
ポイントはこの辺り。
よもや自分が生まれた直後からの関係とは思いませんでしたね…
任天堂VS日経の歴史【1996年~2024年】
ということでざっとですがネットの海から日経と任天堂の関係を色々調べてみました。
こうやってみると多い…
そして2012年が豊作すぎる。
抜けてるものもあると思いますがこれだけでも結構な量ですね。
任天堂ファンが「また日経か…」となるのもわかる気がします。
1996年:横井軍平氏の退社理由について
まず一番古いものだと1996年、あの横井軍平氏の退社理由についての記事です。
これは本人が直接否定してるんですよ。
二つの「事実」を並べて読むと、読者には任天堂が大変な苦境に陥り、まるで内紛でも起こっているかのように思えるでしょう。
実際には、私は「『バーチャルボーイ』失敗の責任をとって」辞めたわけではありません。
https://bunshun.jp/articles/-/6659
日経が1996年、横井氏が退社してすぐに出した記事が元です。
この2つと結びつけるように横井氏の退社が書かれていました。
でも退社は元々決めていたことで責任云々は関係なし。
64は横井氏の担当じゃないし今までの売上が大きすぎて悪化したように見えるだけ、と説明したんです。
直接本人に取材せず記事を書いたゆえのガセ記事だったんでしょうね。
横井氏はこの一年後に亡くなってしまったので実質ギリギリのタイミングでガセが暴露された結果となったわけです。
2012年:アジア市場に的
次はかなり飛んで2012年。
豊作となったこの年は3月16日に出された「任天堂3DSアジアに的」という記事から始まります。
要約すれば 手薄だったアジア進出を決めた任天堂が専門部署を設立、同社製品3DSを4月から順次韓国、中国で発売する と言うものです。
https://katamuki.acenumber.com/2012/03/3ds.html
該当記事はもう削除されてるので当時が書かれたブログから。
内容的にはまああり得るかな、というものなんですが任天堂が真っ向から否定。
本日の日経産業新聞の報道(「任天堂3DSアジア市場に的」)につきましては、当社が発表あるいは事実確認したものではなく、日本経済新聞社の推測に基づいて書かれたものです。
https://www.nintendo.co.jp/corporate/release/2012/120316.html
こっちは2024年になっても元ページが残っております。
まあこういう会社の方針は株価とかにダイレクトに影響してきますからねぇ…
任天堂としては勝手に方向性を断定されて「いやちょっと待てよ」という感じだったんでしょう。
記事の中には中国向けには「iQue3DS」という名前にする、なんていうかなり具体的な内容もあったり。
信憑性も高い雰囲気だったので即座に対処した形となりました。
2012年:任天堂が没落してしまう
次も2012年、2月20日に出された「岩田社長が口にした、任天堂の「没落」」という記事。
「ニンテンドーDS」や「Wii」などの大ヒットゲーム機を次々と投入し、世界のゲーム市場で先頭を走っていたのは、ほんの数年前。日本を代表する高収益企業も、今期は初の営業赤字に転落する。岩田の発言の裏に透けるものは――。
https://www.nikkei.com/article/DGXNASHD1600V_W2A210C1I00000/
これはなんと当時の社長であるいわっちこと岩田氏自ら否定しております。
記事が投稿された2月20日は月曜日、名指しこそしてないですが日経以外にありません。
内容としては、
こんなことが書かれていました。
発言一つ一つはソース付きだったりして正確なんですが問題はその間に書かれる記者の憶測。
点と点を繋げるような書き方で最初からある結論に導いていくような内容でもあったんです。
それに対して上のようなツイートがなされたということ。
全くのガセじゃないですが恣意的なものを感じるとやっぱ嫌だろうなぁという感じ。
2012年:WiiUにカーナビ機能が付く?
そしてまたしても2012年のWiiUにカーナビ機能が付くという記事。
これは2012年の任天堂、新型Wii多機能に、という記事が元です。
任天堂は年末に発売する新型家庭用ゲーム機「Wii U」に、カーナビゲーションや電子書籍などの機能を搭載する。
https://www.nikkei.com/article/DGXNZO42206210V00C12A6TJ0000/
スマホに対応、と銘打って書かれた記事の中にはカーナビや電子辞書が付くということが書かれてました。
でも実際WiiUにはそんな機能付いてませんよね。
この時期が出された6月5日の当日中に任天堂が公式ページで見解を出しています。
本日の日本経済新聞の報道(「任天堂、スマホに対抗」)は、当社が発表あるいは事実確認したものではなく、数多くの間違いが含まれた、日本経済新聞社の全くの憶測記事です。
https://www.nintendo.co.jp/corporate/release/2012/120605.html
日経を名指しした上で完璧に否定してますねw
ここまでガッツリ否定するということで根も葉もない完全なデマだったんでしょう。
まあWiiUにカーナビや辞書機能が付いても別にうれしくないし使いにくいしよく考えたらあり得ない内容でした。
2013年:WiiUとPS4のスペック記載ミス
次は2013年、WiiUとPS4のスペックを間違えて記載した記事です。
それがこちら。
PS4のメモリが8GB、WiiUが32GBとなっております。
単純にフラッシュメモリとRAMを間違えただけという風にも取れますが前科があるので狙った可能性もあるのが怖い所。
「別にこれはWiiUの方がよく見えてるんだからよくね?」
という声もあるかもしれませんがそれはそれで問題なんですよ。
色んな所に迷惑をかけてるんです。
特に株は命かかってるのでシャレにならないんですよね…
まあその後珍しく謝罪があったのでこれはミスと言ってもいいかなとは思います。
2016年:WiiUが年内で生産終了
続いては2016年のWiiUが年内で生産終了するという記事。
任天堂は主力の据え置き型ゲーム機「Wii U」の生産を年内にも終了する。人気ソフトが少ないことなどから、前機種「Wii」に比べ、販売が振るわず、回復が見込めないと判断したもようだ。
https://www.nikkei.com/article/DGXLZO98745680T20C16A3TI5000/
するかも?とかじゃなくて終了する、と言い切ってます。
ただこれも任天堂が即座に否定。
任天堂は3月23日、同社が据え置き型ゲーム機「Wii U」を年内にも生産終了するという一部報道について、編集部の取材に対し「生産終了の予定はなく、来期も販売を継続する予定」とコメントした。
https://www.nikkei.com/article/DGXLZO98745680T20C16A3TI5000/
その言葉通りWiiUが生産終了したのは2017年の1月31日。
17年初頭なのでニアミスといえばニアミスなんですが断定した言い方なのに間違ってるのはダメですよね。
この記事によって買い渋りが起こったりしかねないので結構悪質。
任天堂はこの報道に「当社から発表したものではない」と言ってるのでどこから漏れた話なのか…
ここまでくると完全妄想のコタツ記事なんじゃないかと疑っちゃいます。
2018年:ニンテンドーラボが不振
2018年にはニンテンドーラボが不振という記事も。
これはガセというよりラボの売上に不振という言葉がそぐわないという意味。
起爆剤として4月に投入したゲームソフト「ニンテンドーラボ」の失速がその原因。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO33603210R30C18A7000000/
ニンテンドーラボとは段ボールで釣り竿やハンドルなどを組み立てて操作するゲームのこと。
これの総売上が約140万本となっています。
確かに発売した2018年の売上は22万本と振るわなかったですが2020年の総売上ではミリオン達成してるんですよね。
今の時代新規IPでミリオン達成ってかなりレアなので不振と言われると「うーん」という感じ。
2018年のスタートダッシュだけを見て書かれた記事なので間違ってはいないですがいわっちと同じく恣意的なものを感じました。
2019年:スパイダーマンの世界売上とスマブラの国内売上を比較
恣意的と言えば2019年のスパイダーマンとスマブラの売上比較も。
これはスパイダーマンが世界売上な一方スマブラは国内売上の数字で比較されたんですよ。
18年9月に発売したゲームソフト「Marvel’s Spider-Man」は3カ月足らずで世界で900万本を売る大ヒットになった。
https://switchsoku.com/gossip/37677
ファミ通によると、18年度に国内で最も多く売れた任天堂の「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL」は年間299万台。
世界売上と国内売上、しかも全く別ソフトで比較しても何の意味もありません。
これこそ最初から結論が決まっている恣意的な内容と言えるでしょう。
ちなみにスマブラの世界売上は2023年で約3300万本。
スパイダーマンは2020年時点で2000万本以上が確定。
18年の売上がいかほどかはわからないですがスパイダーマンの900万本に完敗した数字とは思えません。
2022年:PC向けのエミュレーターを発表
そしてスイッチ次世代機誤報以前の最新作?となるのがエミュレーターの発表(という誤報)。
「ソニーG、『脱プレステ依存』で狙う相乗効果」の記事中、「任天堂も今年に入り、ゲーム専用機『ニンテンドースイッチ』のソフトがPC上で楽しめるエミュレーターを発表しています」とあったのは誤りでした。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFM170UJ0X10C22A8000000/
こちらは誤報を認めて削除してます。
(過去記事の誤報を削除しないのはなんでや…?)
記事内容はそのまま「任天堂がPC向けのエミュを発表している」という別の世界線から来たとしか思えない内容。
思われる、とか可能性が、とかじゃなくて発表済みと言い切れるのはなんででしょうね…?
ちょっとせこいのがソニーのプレステ関係の記事の中での一文という所。
ここならバレないと思ったのか分かりませんが任天堂の訂正もないので意外とバレてないのかもしれません。
【まとめ】少なくともとも10件弱の誤報があった
ここまでまとめるとこうなります。
こういった明確な誤報以外にもネガキャン記事を加えると数え切れないほど存在。
日経自体任天堂に限らず誤報、ガセ記事が多い媒体なので狙ったわけじゃないと言えばそうなんですが…
任天堂は日経以外にもファミ通などのメディア全般からネガキャンをされることが多くありました。
ということで2011年のニンテンドーダイレクト開始につながったわけです。
特にゲームファンのみなさんが聞きたいと思っておられる情報には、重なりはあるものの、食い違いがあることも同時に感じていました。
https://www.nintendo.co.jp/ir/events/111028/index.html#s02
同時に、Twitterなどに代表されるソーシャルメディアの普及により、情報の伝わり方と速度が大きく変わり、この場での発言が思いもよらない歪んだ形で広まってしまうことも何度か経験しました。
ファンとしてはこのダイレクト自体楽しみの一つなのでそういう意味では日経に感謝しないといけません。
今回みたいな誤報は速攻で訂正してガセメディアの権威をガンガン落としていってほしいですね!