「ヨッシーの本名って何?長ったらしい名前は嘘?」
物心ついた時からマリオファミリーとして一緒にいたヨッシー。
そんな彼の本名って結構長ったらしいものだって知ってましたか?
その名も「T. ヨシザウルス・ムンチャクッパス」。
ただこの本名とされる名前、嘘だったんですよ!
この記事ではそんなヨッシーの名前の由来や取り巻くデマ、おなじみでっていうの謎を解説しています。
ポイントはこの辺り。
結構知る人ぞ知るネタ感があるヨッシーの本名ですが騙されてると結構恥ずかしい思いをするかも…
ヨッシーの本名はムンチャクッパスじゃない!
ヨッシーの本名でよく言われるのが、
「T. ヨシザウルス・ムンチャクッパス」
これは厳密に言うとガセネタです。
ポイントはこの辺りになります。
ムンチャクッパスの由来は内部資料
まずこのムンチャクッパスっていうのは任天堂の内部資料が由来なんですよ。
表に出てない構想段階の一つの案、なので公式名じゃないガセということ。
それはが1993年に作られたThe Official Nintendo Character Manualという任天堂キャラのガイドマニュアル。

こんな感じでキャラの解説がされてます。
アメリカ社員に「キャラの設定こんな感じだから把握しといて―!」みたいな感じで渡す資料ですね。
注目なのはその中のヨッシーのページ。

“Yoshi, properly known as T. Yoshisaur Munchakoopas, had been held captive in an egg until Mario (homo nintendonus) bopped along and rescued him.
訳:ヨッシー(正しくはT. Yoshisaur Munchakoopas)は、マリオが彼を救出するまで、卵の中に囚われていた。
https://www.thatericalper.com/2015/02/27/the-official-nintendo-character-manual-from-1993/
ヨッシー(T. ヨシザウルス・ムンチャクッパス)って書いてあるんですね!
これを見るとやっぱムンチャクッパスで合ってるじゃん!となりそうですが上で触れたようにこれは内部資料。
ブレイク・J・ハリスというゲームライターが2014年に公開したこのツイートが発端になってます。
続くツイートでガンガンその資料を公開していってるんですがその中でヨッシーの名前にも言及。
「ヨッシーって本名ムンチャクッパスなん!?」
と公開した本人すら驚いてるのが面白いです。
ですがこの名前っていうのは本来表に出るはずのなかった内部設定なんですよ。
本マニュアルは、この目的を達成するために必要な場合、貴社の従業員および代理人に提供することができますが、複製、流布、他者への開示は禁止されています。
https://www.thatericalper.com/2015/02/27/the-official-nintendo-character-manual-from-1993/
こんなことも書いてあります。
彼がどうやって手に入れたのかは不明ですが公開されなかったということは公式じゃない、公式設定じゃないということ。
Tとは?なんの意味?
ムンチャクッパスの由来が分かったところでで気になるのが「T」の存在。
このTの由来、意味というのは上の資料内でも明かされてないので残念ながら不明です。
ただマリオの世界観を考えると一つの親和性の高い英単語にたどり着きます。
それがトード(Toad)。
直訳だとカエルという意味なんですが実はキノピオの英語名でもあるんですよ。
上の資料にも書いてありますがヨッシーはキノピオと同じ出身地、なんてことも書いてあります。
共通の出身地であるということで同一、または近しい種族であるという所からTの名前を引用したのではないでしょうか。
今となっては特にキノピオ要素はないですが当時の設定を考えると割とあり得る由来かなと思います。
声優由来の可能性も?
そしてもう一つの可能性としてはヨッシーの声優由来であるというもの。
ヨッシーのあの独特の声は戸高一生という方が当てています。
この戸高さんは本業の声優ではなく任天堂所属のゲームミュージック作曲家。
有名どころで言えばヨッシーストーリー、どうぶつの森など多くのシリーズ楽曲を手掛けています。
この戸高さんの頭文字も「T」ということでここから取った可能性があるということ。
ただ上の資料の初出が1993年、戸高さんが初めてヨッシーに声を当てたのが1997年発売のヨッシーストーリーとされているのでちょっと時差があるんですよね。
まあ内部資料ということでゲームが公開される以前に戸高さんが声を当てることは決まっていて、そこから取った可能性も無きにしも非ず。
真相は明らかになっていませんがこの二つが現在有力な説かなという所です。
嘘・デマばかりのキャラ設定
他にもムンチャクッパスがガセネタだという根拠の一つとしてヨッシー以外の設定がめちゃくちゃだという所も。
こういう所を見るとまだ設定が固まってなかった時代のたたき台的な役割を推測できるからです。
例えばピーチ姫。
彼女は白魔法の力を使い、キノコ族を生き返らせる唯一の希望であると同時に、クッパの暗くて不潔なダンジョンの中でも、彼女のエレガントなガウンを糊のきいた清潔なものにしている。
他にはキノピオも。
クッパ戦争当時キノコ連邦の親戚の家に遊びに行っていた。
彼が家に戻ると、たくさんのレンガや馬酔木があり、愛するプリンセスとともに行方不明になった仲間たちのことを思い出していた。
こういった設定も公式ではありますが今現在影も形も残ってないですよね。
なのでこの1993年の資料は設定が完全に固まる前のアイデア出しの段階のモノだということが分かるわけです。
過去の名前が今現在使えない例
公式であっても過去に作られた設定は現在のキャラとは異なる。
これはマリオを見てみるとよくわかります。

初登場の「ドンキーコング」ではジャンプマンと呼ばれてたんですよ。
マリオと呼ばれ出したのは次の「ドンキーコングJr」から。
つまりこのジャンプマンっていうのは公式の設定なんです。
でも、
「マリオの本名ってジャンプマンなんだぜ!」
とは言われないじゃないですか。
ということはキャラの設定っていうのは更新し続けていくということ。
T. ヨシザウルス・ムンチャクッパスっていうのは過去そう呼ばれてた時期もあるけど今は違って、本名でもない。
ということなんです。
歴史の長いゲームにはありがちですが設定が変わる際の一つの没ネタなわけですね。
ましてや今回の情報は内部で本来表に出るはずなかったものなんだから尚更です。
公式では「ヨッシー」で統一
そんなこんなで任天堂ではずーっとヨッシーという名前で統一されてます。
アイランドの時だけ一瞬Yossyでしたけど…
初登場のマリオワールドからスピンオフのカートやテニスまで全部ただのヨッシーです。

本名どころか苗字すら明かされてないんですよ。
というのもこのヨッシーというのは種族名であって個体名ではないんです。
犬をポチと呼ぶんじゃなくて「犬!」と呼んでるのと同じ。
ちょっと違和感はありますがこれがあるのでムンチャクッパスみたいな苗字+名前みたいなものはより異質。
アメリカ社員が勝手に考えた謎の名前感がより際立つわけですね。
ヨッシーの他の異名・本名疑惑まとめ
ということでムンチャクッパス君じゃないことが何となくわかったところで他の名前も探ってみました。
ヨッシーってもうベテランなんでファンの間で色んな呼ばれ方してるんですよね。
それらの由来もまとめてみていきましょう!
ミームでお馴染みでっていう
まずはでっていう。
これはヨッシーの鳴き声がを日本語表現するとこうなる、というもの。
…確かに聞こえなくもない。
主に2chや昔のニコニコなどちょっとアングラな世界で流行しました。
ただでっていうっていうのは昔の電子音が鳴き声として使われてた時代のもの。
シリーズ | 年代 | 声素材 |
---|---|---|
マリオワールド | 1991年 | SE |
ヨッシーストーリー | 1997年 | 戸高一生 |
NewスーマリWii | 2009年 | SE |
ギャラクシー2 | 2010年 | 戸高&SE |
オデッセイ | 2017年 | 戸高一生 |
ヨッシーストーリー以降はゲームのグラ上昇に伴って違和感のない戸高ボイスがメインで使われています。
ギャラクシー2では久しぶりにSEボイスも聞くことができ、久しぶりのでっていう復活となったわけです。
ただ最近だと人の声を加工してるので「でっていう感」は鳴りを潜めがち。
最近の子は「でっていうはヨッシーの鳴き声で…」と説明されてもわからないかもしれませんね。
自称?スーパードラゴン
二つ目はスーパードラゴン。
これも本名ではなく、なんとヨッシーの自称。

自宅に訪問してきた人向けにメッセージを残してます。
確かにヨッシーと言えば火を吐くし空飛べるしドラゴンと言えばドラゴンかもしれない。
ただこの自称は任天堂自ら否定されるのでした。

任天堂公式HPから。
「カメなのか恐竜なのか実は分かってないんだって」
ドラゴン的な文言はどこにもありません。
任天堂内部ではヨシザウルスからくるになんとなく恐竜っぽい感じでゆるく統一してるんでしょうねw
かわいそうな踏み台呼ばわり
最後は踏み台。
これはヨッシーを足場として使うプレイヤーからの呼び名。
ヨッシーに乗りながら足場の悪い崖を乗り継いでいくことが結構あります。
「ミスった!このままじゃ落ちる!」
なんて時にヨッシーから降りることでポーンと上にちょっとジャンプできるんですね。
疑似的に空中ジャンプができるのでこれを生かしてマリオの命をつなぎとめるテクニック。
切り離したヨッシーはそのまま奈落の底に落ちていく悲しい状態に…
踏み台の他にも乗り捨て、ジャンプ台なんて言われたりしてます。
ヨッシー好きからしたらけしからん!となるんですがこれもでっていうと同じくネットのノリって感じですね。
マリオ・ルイージの場合
ヨッシーと同じくマリオシリーズのキャラたちも本名?となる名前が存在します。
まずマリオの場合は上でも触れたジャンプマンなどがそう。
これらの呼び名はマリオという名前が正式に付けられるドンキーコングJrまでの話。
ドンキーコングJr稼働後の1982年以降では公式としてはマリオで統一されています。
一方弟であるルイージにはそういった本名、元祖の名前というものがありません。
ルイージの初出は1983年のマリオブラザーズですがこの時期にはもうルイージと呼ばれていました。

マリオと違いサブキャラクター扱いだったということもあって名前の試行錯誤も少なかったんでしょう。
その名づけの流れはイタリア人っぽい名前は何かという模索の結果とのこと。
名前は任天堂の米国法人(Nintendo of America, NOA)の社員が付けたものである。イタリア人に多く語呂の良い名前を模索した結果「ルイージ」が選ばれたという。
Wikipediaより引用
日本語ではマリオによく似たキャラ、そしてルイージという名前で類似由来だと勘違いされがちですがあれもガセ。
イタリアっぽい名前が先に来て類似というのは偶然の一致だったわけです。
ピーチ姫のケース
同じくマリオファミリーの一員のであるピーチ姫も元となった名前があります。
それが「Princess Toadstool」(プリンセス トードストゥール」というもの。
直訳で毒キノコ姫という名称になります。

キノコ姫はわかるとしてなぜ毒がついたのかは不明。
キノコたちを従える姫、上位存在として白雪姫の毒林檎をモチーフにしたとか…?
詳細は不明ですが1985年のスーパーマリオブラザーズでピーチ姫の名前が初出。
1996年発売のマリオ64から全世界共通でピーチ姫という名前になったとのこと。
日本では毒キノコ姫という初期名称自体知らない人が多いでしょうね。
クッパのケース
そして因縁の敵、クッパですが残念ながら?本名のようなものはありません。

上の資料にも書いてあるように初出はもちろん登場前の構想段階からクッパはクッパ。
海外名がBowserということで初期構想そのまま使われてる形です。
ちなみにクッパの由来は韓国料理のあのクッパからそのまま来ています。
開発スタッフ達がクッパを食べたいと言ったことが始まりで、その語感の重厚感からOKが出たんだとか。
さらに細かい所では海外名のBowserは通称としての役割もあるようでKoopaと呼ばれるカメ軍団の大将という設定になっています。
なので日本名のクッパは海外ではノコノコやパタパタたちを含んだクッパ軍団そのものということですね。
【まとめ】ヨッシーの本名だとされるものはガセネタ!
まとめるとこうなります。
そういう本名にしようという話は出たんでしょうが温めたまま内部のみの公開に終わった。
それが2014年に持ち出されて公式(発表)の事実だとして広まった。
というのがこのヨッシー名前騒動の顛末かなと思います。
ただマリオシリーズにはマリオの国籍や名前などまだ謎な部分も多い。
いつの日かドデカい設定資料集なんか出してほしいものです。